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Windows 10好調で、日本の電機メーカーは波に乗れるのか

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PRESIDENT Online編集部 吉岡綾乃=文

マイクロソフトが元気だ。Windows 10が好評な上、Windows 10 Mobile搭載のスマホを日本でも6社が製造。さらにSurfaceの新製品も大きな話題になっている。Windows 10の盛り上がりとともに、日本の電機メーカーも波に乗りたいところだが、状況はそう楽観的ではなさそうだ。

2015年下半期、マイクロソフトが元気だ。

夏にリリースしたPC用OS「Windows 10」は、Windows 7/8/8.1ユーザーなら現在無料でアップデートできるということもあり、日に日にユーザー数が増えている。ユーザーインタフェースを急激に変更し「使いにくくなった」という声が多かったWindows 8に対し、Windows 10は動作の軽さもユーザーインタフェースも好評。筆者の身の回りでも、メインのPCをWindows 10に変えるユーザーが急速に増えている。

10月14日には、VAIO、日本エイサー、トリニティの3社が「Windows 10 Mobile」を搭載したスマートフォンを開発中であることが発表された。事実上、Windowsスマートフォンは日本市場には存在しないも同然だったことを思えば、この秋、急にWindowsスマートフォンの話題が盛り上がり始めたのは非常に大きな変化だ。

そして10月22日、マイクロソフトはタブレットとしてもWindows PCとしても使えるSurfaceシリーズの新製品「Surface Pro 4」「Surface Book」を発表した。前者はMac Book Air、後者はMacBook Proに対抗する製品で、どちらも大きな話題となっている。


(左)左からSurface Pro 3(現行製品)、Surface Book、Surface Pro 4。(右)Surfaceシリーズはタブレット部分からキーボードを切り離すことができ、ノートPCとしてもタブレットとしても使えるのがポイント。新モデルではペンの使い勝手が向上、画面がより美しくなった。

これだけ短期間に、マイクロソフトに注目が集まるのは久々のことだ。ここ数年、IT業界、特にコンシューマ向け商品の世界の巨人といえばまずiPhoneとMacを擁するアップルであり、そしてAndroidで世界のスマートフォン市場を牛耳る(しかもYouTube、検索などさまざまなサービスも提供する)グーグルだった。長いことIT業界の主役だったWindows PCは低価格化が止まらず、グローバル市場を分け合うLenovo、hp、DELLといったごく少数のメーカーしかコストダウン競争に勝てない状況にある。こうした流れに、東芝、富士通、パナソニックといった日本でWindows PCを作る電機メーカーは長らく苦しめられてきた。NECのPC事業はLenovoに買収され、ソニーはVAIOを切り離した。

Windows 10の登場でWindowsプラットフォーム全体が活発化し、久しぶりにマイクロソフトがIT業界の主役に返り咲けば、Windows PCやスマートフォンを作る日本の電機メーカーも波に乗れるのだろうか? しかし事態はそう楽観的ではないと筆者は考えている。理由は以下の2つだ。

Windowsスマートフォンが盛り上がるためには、通信キャリアの全面的なバックアップが必須

今回Windows 10 Mobileを搭載したスマートフォンを製造するのは、今回発表されたVAIO、日本エイサー、トリニティの3社に、マウスコンピュータ、FREETEL、サードウェーブデジノスを加えた6社。目下、6社の端末はすべて、SIMロックフリー端末(いわゆる「格安スマホ」)として販売されるとみられる。


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Windows 10 Mobile搭載のスマートフォン。写真はマイクロソフトのLumia950(日本未発売)

日本市場でWindowsスマートフォンが販売されるのはこれが初めてというわけではない。2011年にはauがWindows Phone 7搭載の「IS12T」(東芝製)という端末を出したことがあったものの、後継機は登場しなかった。

ポイントはこの文章の主語が「au」というところにある。携帯電話は長らく、通信キャリアが仕様を決め、メーカーに細かく指示を出して端末を製造させ、端末販売は通信キャリアが行うという形を取ってきた。携帯電話を販売するのはあくまでもドコモやau(KDDI)、ソフトバンクといった大手通信キャリア。いくらWindows 10 Mobileを搭載するスマートフォンが増えても、通信キャリアが「自分のところの端末として売ってあげるよ」と言わない限り、目立つところで販売されることはなく、流通する端末の数も増えないのだ。数が見込めないのでは、シャープや富士通といったスマートフォンを製造する日本の大手電機メーカーは当然参入できない。

SIMロックフリー端末は、各社のオンライン販売やスーパー、家電量販店などで販売されているが、一般に通信キャリアのショップで扱われることはない。ドコモもauもソフトバンクも、今は各社「いかにiPhoneを1台でも多く売るか」に苦しんでいる状況だ。iPhoneでもAndroidでもないプラットフォームのWindowsスマートフォンを現状で3社が積極的に売るとは考えづらい。もしどこかのキャリアがWindows 10 Mobileを本気で売る気になるとしても、実現にはしばらく時間がかかるだろう。

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