【巨人】出世背番「21」ドラ1桜井、3つのノルマで球団背負う投手に
巨人のドラフト1位、立命大・桜井俊貴投手(22)が27日、「10勝」「5完投」「防御率1点台」をルーキーイヤーのノルマに掲げた。この日、京都市内の同校で堤GM、山下スカウト部長、担当の益田スカウトから指名あいさつを受けた。背番号は後に18番をつけた藤田元司氏、堀内恒夫氏らエースが新人時代に背負った「21」を提示された。期待の大きな“出世番号”とともに、プロの道を歩み始める。
沸々と実感が込み上げてきた。桜井は堤GMと握手を交わし、指名のあいさつを受けると「巨人に指名されたんだな、と思いました。即戦力と言ってもらえたので今から活躍できるだけの練習をして、球団を背負う投手になりたいです」。無数のフラッシュを浴びながら、決意をにじませた。
目標には「まずは2ケタ勝てるように頑張りたい」と掲げた。15勝や20勝など大きなものをぶち上げるのではなく「10勝」と設定。「プロの世界はそんなに甘くない。チームに白星がつく投球がしたいです」。性格を表すように堅実で現実的。すでに“個人より巨人”の精神が宿っていた。
一番の売りは今秋のリーグ戦で延長14回、206球を投げたことで証明された「スタミナ」だ。さらなる目標に「5完投」を挙げた。今季チームトップの完投数は菅野の6。「先発から最後までずっと守れるように」とエースの背中を追う。
新人王には「あんまり意識せず安定した数字を求めていきたい」と謙虚に言った。だがその「安定」の2文字に、桜井の強い決意が込められていた。それが3つ目の「防御率1点台」という高い目標につながっていた。
「1年間、ローテを守り、1点台を保てれば、ずっと安定感を持って投げられるということになると思うので」。今季は菅野が1・91、マイコラスが1・92を記録。「マイコラス投手も菅野投手もここぞという時にすごい力を発揮されていた。そんな投手になれれば」と理想を明かした。
提示された背番号「21」はV9時代の高橋一三氏ら“左のエース”の印象が強いが、巨人では新人に縁起の良い番号でもある。後に18番を背負った藤田元司氏、堀内恒夫氏がともに2ケタ勝利で新人王に輝いた。03年には木佐貫洋(前日本ハム)が10勝し、新人王を獲得した。桜井は「偉大な先輩に恥じないようにしたい」と気を引き締めた。
野球を始めた小学校の時につけた背番号が「2」。高校時代は「1」だった。「誕生日も10月21日なのでとても好きな数字。何かの縁かな、と。いい番号をもらったので、それが桜井の番号だと言われるように頑張りたい」。先輩たちは背番号が途中で変わったが、桜井は巨人で現役を終えるまで「21」を死守することを誓った。(楢崎 豊)
◆桜井 俊貴(さくらい・としき)1993年10月21日、兵庫・神戸市生まれ。22歳。多聞東小4年で野球を始め、多聞東中まで軟式。北須磨高で最速140キロ超の「公立の星」として注目されるも甲子園出場なし。立命大では2年春からエースを務め、関西学生リーグ通算28勝8敗。昨秋にU―21日本代表入り。181センチ、82キロ。右投右打。