ダル弟が野球賭博で逮捕 プロ&メジャー対象1850万円集めた
プロ野球や米大リーグの試合を対象に野球賭博をしたとして、大阪府警は27日、米大リーグ・レンジャーズのダルビッシュ有投手(29)の弟で、大阪府藤井寺市の自営業・ダルビッシュ翔容疑者(26)ら8人を賭博開帳図利と常習賭博の疑いなどで逮捕したと発表した。翔容疑者は今年5月、客から計約1850万円を集め、自らも野球賭博をした疑いが持たれている。
球界が野球賭博問題で揺れる中、今度は現役メジャーリーガーの弟による大がかりな野球賭博が明らかになった。府警捜査4課によると、翔容疑者は大阪府羽曳野市の鉄工業・田中凌容疑者(23)と共謀し、客から1口1万円、計約1850口の申し込みを受け、さらに2人で計約50口を賭けた疑いがある。
府警はほかに大阪府生野区の無職・宋尚哉容疑者(29)を賭博開帳図利の疑い、客の男女5人を常習賭博などの疑いで逮捕。8人の認否は明らかにしていない。
翔容疑者が胴元となり賭博の対象にしたのは、今年5月12~18日の国内プロ野球28試合と米大リーグの16試合。プロ野球では人気球団の巨人、阪神などセ・パ両リーグの試合が含まれ、大リーグでは兄のダルビッシュが所属するレンジャーズの試合が1試合含まれていた。ただ、ダルビッシュは今年3月に右肘じん帯の再建手術を受けており、今季は1試合も登板していない。
発覚したきっかけは昨年9月。翔容疑者がプロ野球賭博をしているとの情報が寄せられ、府警が捜査を続けていた。府警4課によると、客は試合の勝敗や得点を予想。翔容疑者は無料通信アプリのLINE(ライン)などで申し込みを受け、客が賭けた金の1割を利益として得ていた。翔容疑者は26日夜、自宅で逮捕された。
09年から格闘家としても活動していた翔容疑者だが、府警によると、現在の仕事は建築関係の人材派遣業だという。翔容疑者のフェイスブックによると、昨年から神戸市内で居酒屋を経営していたが、今年6月に閉店。12月に新たに羽曳野市内で飲食店をオープンさせる予定だった。逮捕前日の25日にはツイッターに「今日は羽曳野&生野でBBQ 楽しかった!」と、仲間らとの写真付きで投稿していた。
野球賭博を巡っては、今月に入って巨人・福田聡志投手(32)、笠原将生投手(24)、松本竜也投手(22)の関与が明らかになったばかり。府警は翔容疑者らの客に3投手は含まれておらず、また他のプロ野球選手への働き掛け、関与は確認されていないとしている。
◆賭博開帳図利罪 賭博場を開き、人を集めて賭博による利益を得ようとした者に適用される。刑法186条に定められ、3か月以上5年以下の懲役に処するとされている。なお、常習賭博罪は3年以下の懲役。