「起業しやすさ世界4位」 世銀報告書に韓国経済界は困惑

韓国は本当に起業しやすい国なのか

「起業しやすさ世界4位」 世銀報告書に韓国経済界は困惑

 世界銀行が28日発表した最新の報告書「ビジネス環境の現状」で、韓国は世界189カ国で4位に入った。米国や日本のみならず、世界の主要企業がアジア本部を置く香港よりも韓国は起業しやすい国だという評価だ。しかし、それには韓国企業関係者が首をかしげた。

 ある大企業関係者は「韓国が世界で4番目に起業しやすい国だというなら、なぜ世界の有名企業が韓国に殺到しないのか」と疑問を投げかけた。

 これに先立ち、米経済誌「フォーブス」は昨年12月、「起業しやすい国」ランキングを発表し、韓国を32位と評価した。調査ごとに大差が出るのはなぜなのか。そして、どちらの判断が正しいのか。

■世銀はインフラ重視

 世銀の「ビジネス環境の現状」は2003年に発表が開始されたが、韓国の順位は2010年以降、16位、8位、8位、7位、5位、4位と毎年上昇してきた。今年の1位はシンガポールで、韓国は2位ニュージーランド、3位デンマークに次ぐ評価だ。香港は5位、米国は7位、日本は韓国に大きく劣る34位だった。

 世銀は各国が企業活動の基本となる制度、インフラをどれだけ備えているかを評価している。具体的には企業設立や建築時の許認可、電力供給、財産権登記、通関など10の評価項目がある。韓国が高い評価を得るのに有利な項目と言える。

 例えば、電力供給については、首都に地上2階の冷凍倉庫(1300平方メートル)を新築し、そこに電力を供給すると仮定し、手続き、所要時間、費用、料金の透明性などに点数を付けた。同項目で韓国は99.88点という圧倒的な高点数を獲得して1位になった。一方、米国は81.52点で44位だった。韓国電力公社の関係者は「電力使用を申請する場合、米国では韓国よりも手続きが複雑で、長い時間がかかることが評価に反映された」と述べた。

 世銀の評価項目には、韓国企業の多くが苦しむ労使問題などは反映されていない。韓国経営者総協会のキム・ドンウク本部長は「国内外の企業経営者が韓国と聞くと苦労を訴えるのが強硬な労組によるストライキ問題、学校から数百メートル以内にはホテルを建てられないなどといった規制問題だが、世銀の発表にはそうした部分が全く反映されておらず、文字通りには信じ難い」と話した。

郭彰烈(クァク・チャンリョル)記者
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