2015.8.24のニュース
祭りにロックンロール 茨城で継承、広い世代に
dly15082400101980年代に国内で一世を風靡したダンス「ロックンロール」が、茨城県内で幅広い世代に受け継がれている。水戸市で毎年8月に開かれる「水戸黄門まつり」には、子どもから大人まで黒や赤のジャケットでそろえた男女が出現。軽快な振り付けで踊るメンバーは「地元を盛り上げたい」と意気込んでいる。
露店が並び、浴衣を着た人々が行き交う祭りの夕べ。男性はリーゼントにジーンズ姿、女性は水玉柄のスカートの一団が目を引いた。約30年前からのファンという水戸市の会社員柏伸茂さん(42)は「自立した大人になり、本当に好きな人が集まる場になった」と振り返る。
文化社会学が専門の東京工科大(東京都)の大山昌彦准教授によると、ロックンロールは70年代に東京で火が付き、80年代には「ツッパリブーム」もあり全国に広がった。その後、衰退した地域がある一方、茨城県内では少年グループが各地の祭りで舞うことで継承されてきた。
90年代からは趣味としてパフォーマンスに重点を置くグループが相次いで誕生。現在は小学生から50代まで少なくとも300人ほどが楽しんでいるという。
募金活動やごみ拾いもしており、同クラブ代表統括の樋口裕行さん(47)は「不良というイメージから抜けだし、若い世代に文化を残したい。今も『不良』だけどね」とほほ笑んだ。