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【社会】

小学校いじめ 最多12万件 地域でばらつき 最大30倍

 全国の学校が二〇一四年度に認知したいじめの件数は十八万八千五十七件(前年度比1・2%増)で、うち小学校は三年連続で過去最多を更新し十二万二千七百二十一件(同3・3%増)に上ることが二十七日、文部科学省が公表した問題行動調査で分かった。文科省は学校が積極的に掘り起こしに取り組んだ結果、数が増えたと分析。ただ、各都道府県の児童生徒千人当たりのいじめの認知件数の差は最大約三十倍あり、ばらつきが出ている。

 調査は全国の国公私立の小中高校と特別支援学校が対象。昨年度一年間に認知したいじめの件数や内容などについて聞いた。その結果、特別支援学校も過去最多の九百六十三件(同25・3%増)に。中学校は五万二千九百六十九件(同4・1%減)、高校は一万一千四百四件(同3・3%増)だった。

 文科省は例年、暴力行為や不登校などと同時に、いじめの件数を公表している。今回は、七月に岩手県矢巾(やはば)町で自殺した男子中学生が昨年度から継続していじめを受けていたのにカウントされていなかったことが判明。調査の信頼性が疑われる状況だったため、各教育委員会に再調査を命じ、いじめ調査のみ公表が遅れていた。

 いじめは実態を捉えるのが難しい上、学校や教育委員会ごとで認識の違いが大きく、認知件数にばらつきが出ている。昨年度公表の調査では、都道府県別の千人当たりの件数の差は約八十三倍、今回も当初は約九十倍あった。再調査の結果、認知件数は約三万件増えて実態に近づいたものの、それでも最も多かった京都府(八五・四件)と、最も少なかった佐賀県(二・八件)の差は約三十倍あった。

 子どもの心身や財産に重大な被害が生じたり、長期にわたって欠席を余儀なくされる「重大事態」は百五十六件(同12・8%減)。ここ数年、問題視されているパソコンや携帯電話を使ったいじめは七千八百九十八件で同10・1%減となったが、文科省は「子ども同士で行うライン(無料通信アプリLINE)などは学校が把握しにくく、実数で減っているのかは分からない」との見方を示した。

 

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