運動会の花形種目である組み体操の「ピラミッド」で起きた骨折事故をめぐり学校現場が揺れている。団結力をはぐくみ、達成感を味わえるなどとして高層化が進んできたが、本番や練習中の事故が後を絶たない。大阪府八尾市の中学校では9月に、過去に事故を起こした10段ピラミッドにあえて挑み、再び6人の重軽傷者を出した。10段ピラミッドでは最下段の生徒に200キロ以上の重さがかかるとの専門家の試算もあり、「行きすぎ」ともいわれる高層化に歯止めをかける動きが出始めた。(高久清史、福田涼太郎)
大阪府八尾市の市立中学校の校庭では、両手足を地面についた姿勢の男子生徒の上に後続の生徒たちが手際よくのぼり、同じ姿勢で重なっていくことで10段ピラミッドの構築を目指していた。
「がんばれー」と声援が飛ぶ中、最後の1人が頂点にたどり着く。立ち上がろうと中腰になったとき、ピラミッドはぐらつき、そのまま内側へと崩れ落ちた。多くの生徒たちがすぐに立ち上がったが、周囲に抱えられるようにして連れ出される生徒の姿があった。
9月27日に開かれた同中の体育大会で起きた事故で1人が骨折、5人が軽傷を負った。その瞬間をとらえた動画はインターネット上に公開され、ピラミッドの高層化が衝撃を広げた。
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