[デレマス/感想]25話の感想「全力ライブを期待していた人にとっては物足りない内容だったものの、綺麗な終わり方だったのかなと」(加蓮P並の感想)
2015/10/21
はじめに
主に6話と未央について前回書いたエントリにはかなりコメントをいただいたのですが、これまた荒れそうな内容の最終回でしたね。私自身、ちょっと肩透かしを喰らっているような感覚になっていたので、正常な判断ができるようになるまで熱を冷ましていた土日となりました。(それと仕事でした…)
まぁその中でニコニコ大百科のデレマス関連の掲示板などを「…まぁそういう反応になるよなぁ…」みたいな感覚で読み耽っておりました。でまぁ、だいたい私の感想と世間の反応はそうズレてはいないみたいで、「賛否両論が渦巻く、デレマスを象徴するような終わり方となってしまったな」と感じました。
それでも、前向きに捉えている方が大半であり、次の劇場版や3期などにその望みを託す向きが多く見られました。私も彼らに見習って行きたいと思います。もちろん私たちにできるのは、やはりモバマスやデレステ界隈を盛り上げていくことぐらいでしょうが、ファンであるならその程度のことは積み重ねて行かなくてはならないのかなとは感じますね。
さて、では今の私の率直な感想を書いていきたいと思います。皆さんとは違うかも知れませんが、批判的な感じではなく、このような見方をしていた人もいたのだなと考えていただければ幸いです。(なのでツイッターで呟いた当時の感想を織り交ぜつつやっていこうかなと思います。)
最終話の感想(ネタバレあり)
色々言いたいことはあるけど、んー正直最終回は微妙だったかなって。
一番の泣き所であろうニュージェネが歌うシーンで「ミツボシ」を期待していたっていうのもあるし、まぁ「流れ星キセキ」でも良かったんだけど、しかし全然踊らずプレイバックが流れるっていう(苦笑)この辺で一回冷めちゃいました。
(放送直後の私のTwitterより)
泣きそうになっていた涙が引っ込んだ感じ(リアル)
ただ、万策尽きたのってあの衣装(デレステSSR仕様)のせいらしいです。恐らくエラ1さんあたりの思いつきなのかなと思うんだけど、(まがなP曰く)4秒動かすのに1週間かかったとかいやはや鬼畜すぎる世界だなって思います(笑)
それでも、アニマスでその辺のスケジュール管理や編成の構成が異常に上手かったのは錦織監督だったからなのだなと改めて認識させられる結果となったと感じております。何せ、ガイナックスであのグリグリ動くことで定評のある「天元突破グレンラガン」を作ったわけですからね、そら当然だよなと。
とは言え、(そのような点を加味した上で)満足のいくライブシーンだったかというと、そこにはやはり疑問符が付いてしまうのではないでしょうか。ぶっちゃけ、25話までストレートで行っていたらここまで荒れてはいなかったのだと思うのだけれど、3ヶ月もの間を取りつつ、2週の猶予をもらって、NOMAKEや公式HPであれだけ舞踏会の内容に期待を持たせたのだから、期待値が高くなりすぎてしまうのも仕方がないのかなぁと感じます。
あとはまぁ、直近のライブシーン、例えば Trancing Pulse や S(mile)ING! より動きが少なかったというのもあるのかなって。実際、3話や13話、22話などであれだけグリグリ動いていれば、最終回でせめて同程度のものを望む声を非難することはできないでしょう。
まー、その分M@GICは頑張っていたと思いますけどねー。(終盤はちょい動かなくなってたけど)ただその頃には私のように正常な判断ができなくなっていた人が多かったんだろうなって。それだけ「流れ星キセキ・ショック」はでかかったのだろうと思います。…まぁ、「ミツボシ来るかな!?」ってワクワクしていた人もたぶんにいたとは思うのだけれど(苦笑)
その他、
美城常務とのシーンをあんなに入れるなら、「(NOMAKEなどで言っていた)文香やありすたちのライブシーン」が観たかった気もするし、「バラエティ班の活躍」や「楓さんたちのライブ」をもっと観たかった気もする。それと、最後にCP全員分のエピローグをやったけれど、正直長すぎてちょっとダレた感もある。まぁこの辺のテンポの悪さは脚本というよりかは絵コンテのせい(=高雄監督?)なのかなと推測いたします。
(放送直後の私のTwitter+若干の加筆)
演出重視というか、「やりたいことをやるために本来やらなくてはいけないことをカット」しちゃっている感が強いです。その辺がテンポの悪さに繋がっているのかなと思います。
まー、この辺は、初監督作品としては仕方が無いのかなと考えます。これも経験ってことで。
さて、とりあえず、うん…今はお疲れ様…かな…。(特に作画班の皆様)
とりあえず円盤は買うんでそれまでにライブシーンだけでも修正してくださるとありがたいですね。
全体の感想と総括
良くも悪くも、私が1話を観始める前に期待した内容ではありませんでした。
逆に、1話を観た後でこのような話になるのだろうなと想像した通りの内容でした。
私は当初、ヤンガンのコミック版のようにニュージェネレーションズ中心のサクセスストーリーになるのだと考えていました。或いは、シャッフルのように、毎週主役が変わってアイドルたちの日常や仕事風景が描かれる群像劇になるのかなと考えていました。
でも結果として、「ハイブリット」と云う形になってニュージェネ中心ではあるものの、他のキャラも脇役ではない、そのようなアニメになっていきました。よく言えば「みんなが輝いている」、悪く言えば「誰に感情移入すれば良いかわからない話が多い」みたいな感じでしょうか。
(悪くかつ)簡単に言うと、「内輪揉めの話を延々と見せられている」ということです。
例えば、原作ゲームにおいては主人公はP(=プレイヤー)ですから、自分がアイドルを輝かせる立場でした。また、ヤンガンのコミックにおいては主人公の卯月に視点を合わせれば良いので、卯月にさえ感情移入していれば良かったのです。
しかし、このアニメでは基本的に「神の視点」でアイドルたちがもがいているのを見続けることになります。武内Pは基本アイドルの自主性に任せるタイプのPなので、蘭子回などの特殊な例を除けば基本的に問題に口出しはしません。そのため、武内Pに感情移入をしてしまうと非常にもどかしい気持ちを持ち続けることになってしまいます。
その辺のフラストレーションに耐えきることができなかったPやアニメファンを多く出してしまったのがとりわけアニメ1期の6話と、2期「20話からずっと」ということになるのかなと思います。特に20話や21話(特に凛と未央ですが)などは意味不明だったのではないでしょうか。武内Pとニュージェネにゾッコンだったはずの凛が、突然「敵側」のプロジェクトにつこうとしたわけですからね。
もっとも、トライアドプリムスP(というか加蓮P)である私としては、トラプリが結成が最大の悲願でありましたので、この展開に全く不満はありませんでした。NGが最初に組まれた時点でこのような展開になることは必然でしょう。強いて言うなら、「やさぐれ加蓮」がかなり好きなのでそっちの状態も見たかったというのが本音ではあるので、その辺はちょい不満かな。まぁ加蓮が凛や奈緒と幸せになってくれればそれで良いと考えていた節がありますが(真顔)
とはいえ、卯月や未央の気持ちを考えると「なんでさ!?」と混乱してしまったのもわかります。また、21話での未央の行動も、一部の視聴者には大変優しくないというのもまたわかります。もちろん、予めトラプリ&ポジパという枠組みを理解し、未央が演劇に興味があるということを知っていた未央Pなら当然のことと受け取ったでしょうけれど、そうでない人も多いわけですからね。
あとはまぁ、それも含めて「ポエム」「演劇」「シンデレラ」というあたりが鼻に付くというのもまぁわかります。実際、私を含めて、ここまで「シンデレラをモチーフにすることを望んでいたP」というのもそう多くはないのかなと思います。
大半の人はアイドルたちが「笑って、ライブして、Pとラブコメして」というあたりが見たかったのだろうと。特にPではなく、いち萌え系アニメやいちアイドルアニメとして観始めた人はそうでしょうか。
もちろん演出が優れているのはいいことです。感情表現が凄いのもいいことです。ライブシーンだって凄い回は本当に凄かったです。ただ、大半の視聴者は「別に凄いアニメなんて求めていなかった」のかなと思います。本当に欲しかったのは、ある程度の演出とある程度の感情表現とある程度のライブシーンだったのかなと。
その点デレマスは、とにかく演出に大変凝っており、感情表現も凄く、ライブシーンは雷に打たれたかのような感覚に陥った回が何度もありました。他方で、それがしつこい(わざとらしい)と感じてしまわれた方も多く見かけました。実際、(特に若い)アニメファンは演劇や日本映画などを普段観ない方が殆どですし、それでどこか演出過剰に思えて白けてしまう方もそれなりにいたのかなと感じます。
追記:一言で言うと「演出過剰でメリハリがない構成」になっていたのかなと感じます。もっと言うと仕事回や鬱回・感動回だけでなく、コメディ回をもっと入れるべきでした。そうすれば補助のシリーズ構成として入っていた高橋龍也さんが活きて、バランスの良い日常と非日常が演出されたことでしょう。キャラ数に比べて尺がないことが最大の原因だと思いますが、だったら尺を伸ばすなり、メインとなるキャラ数をもっと絞るべきでした。もっとも、この辺の交渉能力の低さ(腹芸の巧さというか)というのが新人(かつ女性)監督最大のデメリットなのではないかと想像していたので、予め覚悟はしておりましたし、正直特段驚きはしませんでしたけれども。
ここまでを一言でまとめると、「デレマスにラノベ的なものを求めた層は気に入らなかった」でしょうし、「デレマスに少女漫画的なものを求めた層は気に入った」のではないかなと思います。
追記:具体的なキーワードとしては前者は「痛快さ」「明確化」「万能感」、後者は「難解さ」「泥沼化」「無力感」といった感じでしょうか。前者は、正義と悪とが明確であり、無敵の主人公と仲間たちが悪を痛快に成敗していくサクセスストーリーです。アニマスはまさにこんな具合でしたね。逆に後者は、主人公は無力であり、王子様や格好いい騎士などに助けられますが、それが元でさらなる嫉妬や泥沼化を生み出し、最終的に紆余曲折あって何とかハッピーエンドまで辿り着きます。(例えば、中年女性が大好きな韓流ドラマって大体全部こんな感じです)デレマスはこのようなストーリーでしたね。
特にツイッターの反応と、2chなどの反応が恐ろしく乖離しているのが印象的で、好き嫌いが本当に別れる作品となったものだなと改めて思います。どこかで書きましたが、熱狂的なファンがいる一方で熱烈なアンチが多い作品なのだと思います。逆に中庸の人はあんまりいない印象です。(私はたぶん中庸ですが)
これはまぁ、ストレスがかかる場面が多すぎたせいかなと思います。特に2期は、15話以降ずっと(そもそも画面そのものが)暗かったですし、「美城常務さえいなければずっとアイドルたちが輝いているシーンを観れたのになぁ」と思うのも無理からぬことでしょう。
実際、私も「ラノベが好きなのでラノベ的な話が観たかった」というのが本音です。とは言え、15話、17話、19話、21話〜24話で流した涙もまた事実であり、…結局のところ「カツ丼食べたくて定食屋に入ったけど、出されたメニューはうな重だった」みたいな感じでしょうか。
「食べたいものとは違ったけれど、これはこれで美味しいし、お得感がある。ただ、ちょっと物足りない感は、ある。」
なので、私は以下のように考えます。
個人的な希望としては「全話・高橋龍也さんの脚本」で一度やってみて欲しい。「冴えカノ」があれだけ名作化したのはやっぱり丸戸さんが一人で脚本を書いたことが大きいと思うし、デレマスは高雄監督の「色」が少しばかり強すぎた気がした。ぜひコメディ色全振りのデレマスが観たい。
具体的には「NOMAKE」とか「ドラマCD」とかで聴ける、「いかにもこれ高橋龍也さんの脚本だろw」的なテイストなアニメがもっと観たいと思うんだ。アニメだと8話の蘭子回みたいなイメージ。
(放送直後の私のTwitterより)
おわりに
2期(3期?)か劇場版の発表はまだですか?(o・∇・o)
3rdライブであるかなって思っているんだけど、どうかな?
個人的には一発で終わっちゃう劇場版よりも、プチマス的な日常モノが一度見たい。
(あるいはもうドラマCD出しまくってくれるだけでもいいけど)
…別にライブとかでグリグリ動かさなくてもいいから、加蓮が「アンタがアタシをアイドルにしてくれるの?でもアタシ特訓とか練習とか下積みとか努力とか気合いとか根性とか、なんかそーゆーキャラじゃないんだよね。体力ないし。それでもいい?ダメぇ?」とかアニメで言っているのを観たいだけなのよ(真顔)