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下鴨神社:境内マンション計画 反対市民らイコモスに直訴

毎日新聞 2015年10月27日 22時36分(最終更新 10月28日 00時00分)

グスタボ・アローズ会長(右端)に下鴨神社のマンション建設問題を説明する稲沢さん(右から2番目)ら=福岡市で
グスタボ・アローズ会長(右端)に下鴨神社のマンション建設問題を説明する稲沢さん(右から2番目)ら=福岡市で

 世界遺産・下鴨神社(京都市左京区)の境内でマンション建設計画が進んでいる問題で、計画に反対する周辺住民らが27日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス、本部・パリ)のアルフレド・コンティ副会長らに福岡市で面会し、問題点を指摘した報告書を渡して計画中止を訴えた。コンティ副会長は「報告書をユネスコに送る」と確約した。今後、ユネスコが計画の妥当性を判断する可能性が出てきた。

 計画は今年3月、神社側が発表した。予定地は古代の自然林が残る「糺(ただす)の森」の一部とされ、世界遺産のコアゾーン(遺産本体地帯)ではないがバッファーゾーン(緩衝地帯)とされ、環境に手を加える場合は現地住民の意見を聞くことが望ましいとされる。

 住民グループ「糺の森 未来の会」世話人の稲沢泉・京都大大学院特任教授らは、福岡市で開催中のイコモス年次総会でグスタボ・アローズ会長やコンティ副会長に接触した。同会は、マンション建設で周辺の景観が破壊され、世界遺産の普遍的価値が損なわれるとしている。

 京都市は9月、建設後も樹木を適切に管理し市に定期的に現状報告することを条件に、市風致地区条例に基づく建設許可を出した。既に周辺整備などが始まっており、12月にも着工する見通し。【土本匡孝】

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