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【主張】
航行の自由作戦 平和の海へ日米連携せよ
米国が中国に対する「航行の自由作戦」に踏み切った。
南シナ海で中国が「領海」と主張する人工島の周辺12カイリ内の海域を、米イージス駆逐艦が航行した。米哨戒機も上空を飛んだとみられる。
この作戦は国際法にもかなうものだ。何よりも中国の南シナ海支配を防ぐために欠かせない。
アジアの平和と秩序を守る意思を、米国が行動で示した意義は大きい。今後も人工島周辺での航行や飛行は随時、行うという。
安倍晋三首相は「国際法にのっとった行動であると理解している」と述べた。より明確に支持を表明すべきだろう。
中国は「主権と安全を脅かした」と反発している。だが、領海とは認められないのに、他国の自由な航行を妨げようとしてきた対応こそ、国連海洋法条約に反している。米軍への挑発や攻撃が許されないことは言うまでもない。強く自制すべきは中国の方だ。
中国は国際社会の抗議を無視して、スプラトリー(中国名・南沙)諸島の岩礁を埋め立て、主権が及ぶと称して軍事拠点化を進めてきた。「力による現状変更」の典型だ。放置すれば、南シナ海への支配力が増してしまう。