TPP交渉が合意に至りました。これは過去の多国間貿易協定の実績である北米自由貿易協定(NAFTA)に例えれば、1992年2月のサンアントニオ会議におけるカナダ、アメリカ、メキシコ三国の基本合意と同じ地点まで、ようやく辿り着いたのと同じです。

でも慌てて買い出動しないで下さい!

なぜなら、未だ困難なハードルが控えているからです。それは米国議会における承認を得る必要があるということです。議会での投票は、来年になると思います。

この順序は、トレードを進める上でとても重要なので、下の過去記事の「過去の協定から学べること」以下の部分を熟読してください。

TPPに参加する国、しない国で今後の経済はどう変わってゆくのか?

とりわけNAFTAの際の、メキシコ・ボルサ指数のチャートに注目してください。サンアントニオ会議の直後は、相場は下がっているのです。本当にNAFTA相場がテイクオフしたのは米国下院がNAFTAを承認してからです。

なお、恩恵銘柄としては、真っ先にマーケット・ベクトル・ベトナムETF(VNM)を挙げることが出来ます。

vnm

次にTPPが成立すると米国から日本以下のTPP参加国への石油輸出が解禁になると思います。また液化天然ガスの輸出も、プロジェクトごとに承認を取り付ける必要がなくなります。

金融サービスは日本市場が一層解放されるので、恩恵をこうむります。具体的にはブラックロック(ティッカーシンボル:BLK)などが良いでしょう。

なおTPPは当然、日本経済にとってもプラスです。

なぜならTPPには参加各国に経済の構造改革を強いる様々な条件が付けられており、「外圧」により、それを強制されるという側面があるからです。

これは何も日本だけがそれを強いられるのではなく、アメリカも、ベトナムも、参加国は皆、一様に取り組む必要があります

そしてそのような改革は貿易を加速する効果があります。