日本人画家、白髪一雄が足で描いた抽象画2点、パリ美術展で7億円
2015/10/27 15:55 JST
(ブルームバーグ):足で描くことで知られた日本人画家の故・白髪一雄の抽象画2点が、パリで開かれたアートフェアで総額約600万ドル(約7億2000万円)で売却された。変動性の高い市場に対するコレクターらの懸念が払拭(ふっしょく)されたことが背景にある。
白髪が頭上のロープにつかまり足で描いたキャンパス画は、25日終了した「国際現代アートフェア(FIAC)」に出展していた画廊ファーガス・マカフィーのブースで売却された。1991年に描かれた作品は400万ドルをわずかに下回る価格、85年作のもう1点は250万ドルだった。
ディーラーらによると、パリの近代・現代アートウイークの目玉であるFIACの売り上げは好調だった。パリでのアートウイークは、ロンドンでのオークションや展示会、「フリーズ・アートフェア」に続いて開催された。クリスティーズやサザビーズ、フィリップスがロンドンで開いた戦後や現代、イタリアの美術品のオークションの落札総額は2億3860万ポンド(約440億円)と、前年を3.2%上回り、富裕層の名作美術品への購入意欲が失われていないことが示された。
ロンドンの画廊スカルステッドのディレクター、ボナ・コロナ・モンタギュー氏は「購入に重点が置かれていた。作品のことを知らないその場限りの熱狂的で投機的な購入ではなかった。訪れた人々は時間をかけて特定の作品を購入していた」と指摘した。
主催者らによると、LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンのベルナール・アルノー会長やクリスティーズのオーナーで資産家のフランソワ・ピノー氏、新聞用紙メーカー大手を運営するピーター・ブラント氏がFIACを訪れた。
原題:Foot Painting Fetches $4 Million in Paris, Showing Strong Sales(抜粋)
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更新日時: 2015/10/27 15:55 JST