北京=斎藤徳彦
2015年10月27日18時42分
7月に亡くなった経済学者・青木昌彦氏の研究を振り返る会が北京の清華大学で25日にあり、著名な学者ら100人以上が参加し、業績と人柄をしのんだ。
会場は、青木氏が10年前、設立に尽力した清華大の「産業発展と環境ガバナンス研究センター(CIDEG)」。基調講演した銭穎一・清華大経済管理学院長は、青木氏が亡くなる直前の今春にも3度、訪中していたことを挙げ、「我々は友好的な中日関係に力を注いだ日本人を失った」と惜しんだ。改革派経済学者の重鎮として知られる呉敬璉氏はその思想を「博大精深(幅広く奥深い)」と表現。経済成長の方式と、晩年に語った中国の法治を巡る発言での影響を評価した。
青木氏は、欧米中心の経済学から見ると「特殊な企業文化」と片付けられがちな日本の企業システムなどについて、経済学の言葉で分析しようと試みた。この視点が、共産党体制の下で市場メカニズムを取り入れる、独自の改革に取り組んでいた中国にとっても理論的な基礎の一つとなった。
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朝日新聞国際報道部
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