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 長野県警は27日、北朝鮮による拉致の可能性が排除できないとして捜査している10人のうち、1972年に長野市鬼無里の自宅を出たまま行方不明になっていた中島修一さん(63)を今月下旬、県外で発見したと発表した。本人の話や渡航歴がないことなどから、県警は「拉致の可能性はない」と判断した。県警が捜査の対象としている行方不明者が見つかったのは今回が初めて。

 県警警備1課によると、中島さんは20歳だった72年9月26日午前、「自動車学校に行ってくる」と家族に言い残して自宅を出たまま行方がわからなくなっていた。その後は国内を転々としながら偽名で暮らしていたという。失踪を続けた理由について中島さんは「家族に会いたくなかったから家出した」と話しているという。

 今月下旬、県外の警察官が別の案件で中島さんに職務質問し、やりとりをするなかで判明。これまで事件事故に巻き込まれることはなかったという。

 県警では引き続き、県関係者で拉致の可能性が否定できない9人について捜査しており、情報は同課(026・233・0110)で受け付ける。