最新記事

ニュースデータ

メディアへの信頼度が高いだけに世論誘導されやすい日本

新聞・雑誌やテレビといった主要メディアへの信頼度は、欧米諸国と比較して格段に高い

2015年10月27日(火)16時40分
舞田敏彦(武蔵野大学講師)

現代社会にマスメディアは不可欠な存在だが、無批判に信頼するのは危険だ Danil Melekhin-REUTERS

 新聞やテレビ等のマスメディアが発達した現代では、同じ情報が無数の大衆(マス)に瞬時に伝達され、国民の世論形成や意思統一にも寄与している。1億2000万人の人口を擁する巨大国家・日本においても、マスメディアは不可欠な存在だ。

 しかし、メディアを操作する側も人間だ。誤報や偏向報道で、誤った(または偏った)情報が流されることはしばしばある。マスメディアは重要な機能を果たしているが、それに無条件の信頼を寄せることはできない。

 日本の人々は、マスメディアにどれほどの信頼を寄せているのだろうか。他国と比較すると、どうなのか。国際比較で日本の特徴を見てみたい。2010~14年に各国の研究者が共同で実施した『世界価値観調査』では、「新聞・雑誌、テレビはどれほど信頼できるか」と尋ねている。<図1>は、日本とアメリカの成人の回答分布を帯グラフで示したものだ。

maita151027-chart01.jpg

 主要メディアへの信頼率は、両国で大きく異なる。日本では7割が信頼できると答えているが、アメリカでは2割ほど。アメリカでは国民の実に8割近くが新聞・雑誌やテレビを信頼していないことになる。ここまでの差があるとは驚きだ。

ニュース速報

ワールド

米大統領選、支持率で元医師カーソン氏首位 トランプ

ビジネス

米9月耐久財コア受注0.3%減、2カ月連続のマイナ

ワールド

米予算案、戦略石油備蓄5800万バレル売却へ 原資

ビジネス

日産・ルノーの資本関係、あらゆる再調整に反対=仏経

MAGAZINE

特集:国連の限界

2015-11・ 3号(10/27発売)

相次ぐ失態と腐敗に世界の失望は高まるばかり──。発足70年を迎えた国連の本当の意味とあるべき姿とは

人気ランキング (ジャンル別)

  • 最新記事
  • コラム
  • ニュース速報
  1. 1

    【マニラ発】中国主導のAIIBと日本主導のADBを比べてわかること

    アジア開発銀行(ADB)の歴史から考える、アジ…

  2. 2

    19万人の難民に悲鳴を上げるスウェーデン

    北欧まで達した大量難民に、欧州一「難民に優しい…

  3. 3

    辺野古に反対する翁長沖縄知事が「変節ではない」理由

    シンポジウムを収録した『沖縄と本土』には、かつ…

  4. 4

    日本の若者の貧困化が「パラサイト・シングル」を増加させる

    過去20年で日本の若年層の男性の貧困化が急速に…

  5. 5

    試食・試飲・試供品だけのための実店舗という新概念

    サンプル商品だけを提供する米国発の「サンプリン…

  6. 6

    ダライ・ラマ効果を払拭した英中「黄金」の朝貢外交

    【動画あり】キャメロン英首相はチベット問題で冷…

  7. 7

    値下げが中小企業にもたらす5つのリスク(後編)

    低価格戦略はまるで麻薬、スタッフの質も客層も低…

  8. 8

    ユダヤ人虐殺の責任者はヒトラーではなくパレスチナ人?

    パレスチナ人憎しのあまりヒトラーを無罪放免にす…

  9. 9

    中国の最近の資本流出は「正常」、資本逃避ではない ── 外為当局高官が会見で表明

    要因は外貨保有意欲の高まりに加え、企業が海外投…

  10. 10

    スウェーデンで学校襲撃事件、覆面男が男子生徒ら2人殺害

    生徒たちと記念撮影をしていた青年が一転して凶行…

  1. 1

    温暖化防止会議COP21、したたかに日本の利益につなげよ

    ある2010年に開かれた地球温暖化をめぐるシンポ…

  2. 2

    ラグビー嫌いのイギリス人さえ目覚めさせた日本代表

    スポーツというのは不思議なものだ。子どもの頃…

  3. 3

    アメリカの大衆文化は保守的なだけに「息が長い」

    今週のアメリカでは3つの話題がトレンドになっ…

  4. 4

    マイナンバー歴44年の僕から一言

    あなたのマイナンバーは届いたかな? 実は僕…

  5. 5

    英中「黄金時代」の幕開けに、習近平が「抗日」の歴史を繰り返した理由

    中国の習近平主席が19日から23日の日程で英国を…

  6. 6

    灯油ランプの健康被害から救う、重力で発電するライト

    壁のスイッチを入れれば灯りがつき、電池が切れたら…

  7. 7

    成功した社会起業家でも生き方に迷う

    サイショアツヨシくんという若い友人がいる。税所篤…

  8. 8

    ヴェネツィア・ビエンナーレとは何か(2):『資本論』とロールス・ロイス

    前回「ヴェネツィア・ビエンナーレとは何か(1)」は…

  9. 9

    米軍がアフガン駐留を続けざるを得ない事情

    先週会見したオバマ大統領は、2016年以降も…

  10. 10

    嫌韓デモの現場で見た日本の底力

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔7月…

  1. 1

    中国主席マンチェスター訪問、企業進出拠点に投資

    中国の習近平国家主席は23日、4日間の英国訪…

  2. 2

    ユーロが週間で5カ月ぶり大幅安、中国利下げでも資源通貨さえず

    23日のニューヨーク外為市場では、ユーロが対…

  3. 3

    中国の大幅調整リスク小さい、輸入減速は不可避=中曽日銀副総裁

    日銀の中曽宏副総裁は24日、中国の北京で開か…

  4. 4

    米国株続伸、決算好調でハイテク株に買い

    23日の米国株式市場は続伸して取引を終えた。…

  5. 5

    中国が汚職撲滅へ、国営銀行・中銀も検査対象に

    中国共産党の汚職監視機関である中央規律検査委…

  6. 6

    NY市場サマリー(23日)

    <為替> ユーロが対ドルで引き続き値下がりし…

  7. 7

    情報BOX:中国の基準金利と銀行預金準備率の推移

    中国人民銀行(中央銀行)は23日、景気支援に…

  8. 8

    中国は6─7%の経済成長を維持=人民銀副総裁

    中国人民銀行の易綱副総裁は24日、中国は今後…

  9. 9

    英国のEU残留希望示唆、習主席「対中関係強化へ役割発揮を」

    英国を公式訪問中の習近平・中国国家主席はキャ…

  10. 10

    ブレア英元首相がイラク戦争で謝罪、イスラム国台頭の「一因」

    英国のブレア元首相は25日に放映された米CN…

 PHVが拓くこれからのモビリティ
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

コラム

STORIES ARCHIVE

  • 2015年10月
  • 2015年9月
  • 2015年8月
  • 2015年7月
  • 2015年6月
  • 2015年5月