ソーセージと喫煙リスクの同列扱いは「笑いぐさ」、豪農相
2015年10月27日 19:11 発信地:シドニー/オーストラリア
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【10月27日 AFP】世界有数の食肉輸出国であるオーストラリアは27日、ソーセージやハムなどの加工肉が大腸がんの原因となると結論付けた国連(UN)の報告書について、喫煙と同等の危険があると示唆するのは「笑いぐさ」だと一蹴した。
世界保健機関(WHO)の専門組織「国際がん研究機関(IARC)」は26日、世界800件の研究を精査した結果、加工肉に大腸がんを引き起こす証拠が得られたと発表。赤身肉も「おそらく」がんを引き起こすとした上で、加工肉をアルコールやアスベスト、たばこなどと同じグループ1の発がん性物質に分類した。
これに対し、バーナビー・ジョイス(Barnaby Joyce)豪農相は公共ラジオで「たばこと比較するべきではないし、明らかにそれによって何もかもがお笑いぐさと化している。ソーセージとたばこを比較するなんて」と批判。「ソーセージを1本食べたら大腸がんで死ぬなどと過剰反応してはならない。なぜなら、食べても死なないからだ。ソーセージだけを食べて暮らしたい人なんていない」と述べた。
農相はまた、現代では全ての発がん性物質を避けて日常生活を送ることは不可能だとして、「最も大切なことは、バランスの良い食生活を送ること」と指摘。「WHOが発がん性物質と指定するもの全部を日常から取り除いたら、洞窟生活に戻るしかない」「がんと少しでも関係のある何もかもを避けたければ、外を歩くな、シドニーの街路に出るな、ということになる。人生においてできることは結局、ほとんどなくなるだろう」などと語った。
一方、豪食肉産業の研究団体「ミート・アンド・ライブストック・オーストラリア(Meat and Livestock Australia)は、「健康でバランスの取れた食生活の一部として赤身肉を推奨するのは大切」だとの声明を発表した。(c)AFP