木曜社から出ている岩井悦子詩集。他とは一線を画す異様な本である。

取り分け、3頁目あたりから、何の脈絡もなく本の約半分を使った教授と思しき人名の羅列が
不気味である。凡そ詩とは言い難い。装丁や表紙なんかに気品さが感じられる分、余計に気味が悪い。
その後の、後半部分は平仮名だけで書かれた気の抜けるようなポエム。
ただ、一番最後の章だけは割かしまともな小噺だ。昔風の文体で書かれており、
柿五郎とやらが、ある女と性交渉をしたがる、という話。結局、柿五郎は死んでしまうのだが、
知的な文体で独特なユーモアが感じられる。

さて、問題の人名を調べてみよう。名前は全部で68名分書いてある。

名前を一人づつ検索してみた。

共通するのは

・ほぼ法学部教授
・年配が多い。ゆえに故人多数。
・労働法を専門としている
・季刊労働法に掲載されている人物が多数

女性は2名だけのようだ。
また弁護士が1名いる。
 
また名前を一気に検索にかけるとこのサイトがでてきた。
確かにここに載っている名前が詩集にも数多く載っている。
ただ、全員が載っているわけではない。少なからずチョイスをしているようだ。

結論としては・・・



・・全く意味が分らないというのが正直なところ。 まず、何故労働法なのか? ?推測すら立てられない。

また検索にヒットしない人物もいた。

運輸調査局 木俣新一 だ。

教授の名前がある中、この人物だけ、 運輸調査局。異質である。
 
その前に運輸調査局ってなんだ?サイトを見てみる。

 交通に関する学術的、実証的な調査・研究等を行い、交通に関する学術の振興及び交通事業の進歩発達に貢献し、もって交通社会の健全な発展に寄与すること

らしい。 あまり労働法とは関係がなさそうに見える。

評議員・議員というところを見ても、木俣新一という人物はいないようだ。 

名前だけで検索してみる。すると、長野図書館のサイトがヒットした。「腹の皮」なる本を書いている。
随分古い本だ。作家なのか?はたまた同姓同名か。

労働法に関係する人物の名前は、ネットの検索で適当に引用したとしても、
この木俣新一なる人物は、引用しようがない。要するに運輸調査局に努める一般人だと思うのだ。
ということは、現実で調査局あるいは木俣自身と接触があったということか。

現状、推測の糸口が全く以て見つからないので、岩井悦子詩集に関しては一旦、調査を打ち切る。

何か閃き次第、再開しよう。




つづく