いくつかのメディアで「理想の上司」ランキングを発表しています。
この手の調査では、対象が役者やスポーツ選手、それに知識人などの、いわゆる有名人になりますので、主にテレビでの露出が強く影響されているようです。
スポーツ選手や知識人は、プロフェッショナルとしてのその人の生き様が評価されている半面、役者は、本人の人となり以上に演じる役柄の影響が強いように思います。
また、ランクインしている顔ぶれを見ると、「タレント好感度」との関連も大きいようですので、イメージが先行した結果と見ることもできますね。
上記の日経新聞では、理想とする上司像は、時代ともにタイプが変化していると書いています。
(以下、抜粋引用)
98~06年度=「低迷する組織を再生するリーダーシップ」があるタイプ
「就職氷河期・長引くデフレで会社も活力を失い、組織を再生し、元気づける上司が最も理想と考えられていた時代」(産業能率大)。
07~08年度=「親近感」があるタイプ
「いざなみ景気」の末期になると、肩の力が抜けた親近感の持てる兄貴タイプ。争いごとよりも癒やしや融和を求める 風潮が影響したとみられる。
09~14年度=「組織に依存しないスキルと自信」があるタイプ
一読して、「なるほど」とは思ったのですが、よくよく考えてみると、何か違うような気がするのですよね・・・。
まず、ランクインしているメンバーは、ずっと継続している人がいるし、短期でみればさほど大きくは入れ替わりがないこと。
それと現在が「先行きが不透明」なのであれば、強力なリーダーシップが求められるはず、なのに、「組織に依存しないスキルと自信」があるタイプが選ばれているのは、どうも解せないところがあります。
堺雅人や有吉弘之がランクインしてきたので、このような論調に結び付けているのかもしれませんが、どうやらこれは後付けの理屈で、やっぱり、テレビでの露出の影響が大きいように思います。
いずれにせよ、本当に理想とされる上司像を知るには、このような「有名人から選ばせる」という調査方法はなじまない、ということなのでしょう。
時代によって、理想とする上司像は変わるとは思いますが、一方で、普遍的な要素も多々あるように感じています。
それは、いわゆる「人間力」に他ならないと思うのですが・・・、いかがでしょうか。