新しい番付表を手にする照ノ富士=福岡県太宰府市の伊勢ケ浜部屋で(永井響太撮影)
|
 |
◇九州場所番付発表
日本相撲協会は26日、大相撲九州場所(11月8日初日、福岡国際センター)の新番付を発表した。秋場所で右膝を痛めた大関照ノ富士(23)=伊勢ケ浜=は出場と優勝に意欲を見せ、審判部長を務める師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は九州場所が綱とりになる可能性に「ゼロではない」との見解を示した。秋場所で2度目の優勝を果たした横綱鶴竜(30)=井筒=は初めて東の正位に就いた。白鵬(30)=宮城野=は横綱在位50場所となり、貴乃花を抜いて歴代単独4位。長野県上松町出身の御嶽海(22)=出羽海=が幕下付け出しデビューから所要4場所で新入幕となった。
決して低くないハードルを照ノ富士は越えられるか。会見に同席した伊勢ケ浜親方は審判部長として、今場所の綱とりの可能性に言及した。
「私の中ではゼロではない。相撲内容や勝ち方、どれだけ勝つか。そういったものをこれから見ていかないと」。昇進ラインこそ明言しなかったが「全勝優勝してほしいね。まず優勝しないことには次のステップはない」と全勝V、もしくは高いレベルの優勝なら昇進もあり得ることを示唆した。
照ノ富士は秋場所で12勝(3敗)を挙げ、鶴竜との優勝決定戦にまで持ち込んだ。横綱審議委員会の内規には「大関の地位で2場所連続優勝。または準ずる成績」とある。北の湖理事長(元横綱)は秋場所千秋楽で「12(勝)と13(勝)の星一つの重みは違う。内容を見ないと」と九州場所全勝Vでも内容次第で昇進は厳しいとの見方だった。
ハイレベルの結果と内容が求められる照ノ富士は「できればチャンスがあるうちにつかみたい」と力を込める。秋場所13日目の稀勢の里戦で痛めた右膝は「だいぶよくなってますね」といい、「出るつもりでいます。思い切りやって優勝目指して頑張りたいです」と出場に前向きだ。不安を抱えながらも、賜杯とその先にある横綱の地位だけをにらんでいる。
この記事を印刷する