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アメリカ軍の艦艇 中国の人工島に接近か
10月27日 9時52分

アメリカ軍の艦艇 中国の人工島に接近か
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複数の欧米メディアは、南シナ海で人工島を造成し主権の主張を強める中国に対し、これを認めない立場を取るアメリカ政府が、人工島から12海里以内で軍の艦艇を航行させることをオバマ大統領が決断したと報じました。「ウォール・ストリート・ジャーナル」はアメリカ軍の艦艇が12海里以内に入ったと報じており、今後、米中間の緊張が高まることが予想されます。
これは26日、アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」やロイター通信、AP通信などが報じたものです。
それによりますと、南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島で中国が浅瀬を埋め立てて人工島を造成していることに対し、アメリカのオバマ大統領が、アメリカ軍の艦艇を人工島から12海里=22キロの海域の中に入って航行させることを決断したということです。
このうち「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、アメリカ軍の艦艇がすでに12海里以内に入ったと伝えています。
12海里は沿岸国の領海と認められる範囲で、中国政府は人工島周辺の主権の主張を強めていますが、アメリカ政府はこれを認めない立場を明確にするため、軍の艦艇の派遣を検討してきました。
アメリカ政府は、人工島は国際法上、領海の基点とはならないため、軍の艦艇を近づけても問題はないとしていますが、これまで中国側は主権の侵害に当たるとして批判してきました。
アメリカ政府は今のところ、報道の確認を避けていますが、実行されれば中国の強い反発は必至で、米中間の緊張が高まることが予想されます。

「米軍の作戦 コメント控えたい」

菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、「米軍による作戦の一つ一つについて、コメントすることは控えたい。そのうえで申し上げれば、南シナ海における大規模な埋め立て、拠点構築等、さらには現状を変更して緊張を高める一方的な行動は国際社会の共通の懸念事項だ。わが国としては、開かれた平和で自由な海を守るために、国際社会が連携していくことは極めて大事なことだと考えている」と述べました。
また、菅官房長官は、「日本政府としてアメリカ軍の今回の行動を支持するのか」という質問に対して「アメリカがどういう作戦をしているかということについては、コメントすることは控えたい。ただ、日米間では緊密な情報交換を行っている」と述べました。
さらに、記者団が「アメリカ軍の艦艇が、中国が造成した人工島から12海里以内に入ったことを日本政府として確認しているのか」と質問したのに対しては、「コメントは控えたい。ただ、緊密な情報交換は行っている」と述べるにとどめました。

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