中東の過激派組織「イスラム国」(IS)とつながりのある組織がソウル・江南の総合展示場・COEXを爆破しようとしているという情報が寄せられ、警察が24-25日に警戒に当たった。だが、テロの可能性を示すものは全く見つからなかった。
警察によると、アフリカ・コートジボワールの韓国大使館に22日「ISとつながりのある組織が韓国でテロを敢行する」という内容の匿名電話がかかってきた。この発信者によると「アンサール・アル・ディーン」という組織がソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に「韓国に入り込み、25日にCOEXのスーパーマーケットを爆破する」と書き込んだという。
電話を受けた大使館はすぐに韓国外交部(省に相当)に報告し、この情報は国家情報院(国情院)を経て警察にも伝えられた。警察の関係者は「この情報によると、テロの実行日は『25日中』というだけで、時間は特定されていなかった」と伝えた。昨年7月に結成されたアンサール・アル・ディーンはアフリカ・マリに本拠地を置き、シリアなどで活動しているとされる。同組織のツイッターアカウントは現在、アクセスできなくなっている。
警察はこの情報を基に、24日午後に特殊部隊を投入して2度にわたりCOEX全域を捜索したが、テロの兆候は見当たらなかった。25日にも警察機動隊2個中隊がCOEX一帯を巡察した。警察の関係者は「COEXの内部や近隣にはスーパーがなく、コンビニを重点的に点検したが、テロを疑うだけの特異な点は見つからず、情報は信ぴょう性が低いとみている」と伝えた。
一方、この情報が伝わり、SNSなどに「(COEXに近い)三成駅付近にいる人はすぐに逃げろ」といった書き込み数百件がアップされるなど騒動が起きた。国情院は20日、国会の国政監査で「大量殺傷目的の手作り爆弾の原料となる硝酸アンモニウムを密輸入しようとした外国人5人を摘発し、韓国入国を禁じた」と明かし、この5人はISの同調者だったと伝えた。