「父親は親日派ではない」 韓国与党代表が反論

「独立運動の資金も提供した」

 与党セヌリ党の金武星(キム・ムソン)代表は最近、韓国史教科書の国定化をめぐる論議の中で、野党や一部の市民団体などから「親日派(日本の植民地支配に賛同・協力)の末裔(まつえい)」と非難されていることに関し「私の父親(キム・ヨンジュ元全南紡績会長)が親日派だとしょっちゅう言われるが、事実に反する」と述べた。

 金代表は25日、記者たちと昼食懇談会を行い「日本が植民地時代末期、敗色が濃くなってきたとき、気に入らない人たちを皆殺しにすると言い出したが、私の父親はその筆頭候補だった。最後(植民地時代支配からの解放直前)には、山の中に隠れていた。解放の知らせも山の中で聞いた」として、冒頭のように述べた。「父親はひそかに独立軍の活動資金も提供していた」とも語った。

 1940年代、朝鮮総督府の機関紙「毎日申報」などが報じたところによると、金代表の父親のヨンジュ氏は植民地時代、慶尚北道議会議員や国民総力慶尚北道連盟評議員、朝鮮臨戦報国団の発起人兼慶尚北道支部常任理事、事業部長などを務めた。また軍用機の献納や徴兵を督励する内容の新聞広告主のリストにも名前が載っていた。これを根拠に、野党・新政治民主連合の文在寅(ムン・ジェイン)代表は今月18日、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と金代表を念頭に「二人の先代は親日行為や独裁に責任がある。その末裔が親日行為や独裁の歴史を美化し、正当化しようとしている」と主張した。

 だが、金代表側は「当時、総督府の機関紙などでは、徴兵を督励するための広告に企業関係者の名前を同意なしで掲載するケースが多かった。新聞広告などに名前が載っていたからといって、それを親日行為の証拠とするのは困難だ」と反論した。

 一方、民族問題研究所が2009年に発行した「親日人名事典」には「キム・ヨンジュ」という名前の人物が3人掲載されているが、これは金代表の父親ではなく、同姓同名の別人だ。これについて民即問題研究所側は先月「親日人名事典の初版には、資料不足のため、金代表の父親を収録できなかったが、今後の改訂版では収録対象になるだろう」と話した。

張祥鎮(チャン・サンジン)記者
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