韓国政府は天然ガス輸入量の60%以上を占める中東産の割合を大幅に縮小し、米国産、オーストラリア産の割合を高めていくことを決めた。
本紙が25日までに入手した産業通商資源部(省に相当)の「国家別天然ガス導入現況」によると、韓国ガス公社による液化天然ガス(LNG)の中長期輸入契約の62%を占めていた中東産の割合を20年には48%まで引き下げる。一方、今年は1%にすぎない米国産、オーストラリア産の割合を20年までに20%まで増やす。
米国・オーストラリア産のLNG輸入増は、韓国ガス公社が権益を保有するガス田からの輸入が本格化するためだ。ガス公社は米テキサス、ルイジアナ州にシェールガス田、サビンパス地域から17年までに年280万トンを輸入する。また、オーストラリア・クイーンズランド州のLNGを今年10月から年350万トン導入する。
米国産シェールガスの導入は韓米自由貿易協定(FTA)で可能になった。米国はFTA締約国にのみ自国産シェールガスの輸出を認めている。米国産シェールガスは市場価格が中東産の半分以下で、かなりの経済効果が期待される。米国内の天然ガス価格は100万BTU(英国熱量単位)当たり2.42ドル(約294円)で、中東産LNGのスポット価格(6.8ドル)の半分以下だ。
産業通商資源部幹部は「輸入先の多角化でエネルギー安全保障を強化し、カタールなど中東の輸出国とのLNG価格交渉にも有利に働く」と指摘した。