大統領府関係者は「慰安婦問題は今回の韓日首脳会談で結論が出る話ではない。朴大統領が安倍首相に『韓国の同意なしに自衛隊は韓半島(朝鮮半島)に入ることができない』ということを明確に告げるだろう」と言った。
国策研究所関係者も「韓日首脳会談が今回開催されても、『完全な関係改善』につながるかどうかはしばらく見守らなければ分からない。朴大統領は何よりも慰安婦問題に対する日本側の誠意ある姿勢を望んでいるが、安倍首相が朴大統領の期待に応えるような解決策を提示する可能性は低いからだ」と言った。だが、一部には、韓日が▲日本の首相の直接謝罪 ▲駐韓日本大使から謝罪の手紙を渡す ▲日本政府予算による元慰安婦への賠償などが含まれた、いわゆる「佐々江案」を参考に、折衷案を探っているという見方もある。佐々江案とは、2012年3月に当時の佐々江賢一郎外務事務次官が訪韓時に提示した慰安婦問題の解決案のことだ。
韓日関係が悪化したのは11年からだ。同年12月に行われた韓日首脳会談で、当時の野田佳彦首相が駐韓日本大使館前の従軍慰安婦を象徴する少女像の撤去を要求したことから、両国関係は急速に冷え込んだ。その翌年の12年8月10日、李明博(イ・ミョンバク)前大統領は独島(日本名:竹島)に電撃的に上陸した。
韓日関係は、朴槿恵政権発足を機に改善に向けて転機を迎えると期待されていた。ところが13年2月の朴大統領就任式の時、日本政府代表として訪韓した麻生太郎副総理の発言が冷水を浴びせた。麻生副総理は朴大統領に会った場で米国の南北戦争に触れ、「北部では『市民戦争』と、南部では『北の侵略』と教えている。同じ国や民族でも歴史認識は一致していない。異なる国の間ではなおさらそうだ」と言った。