Ready「ここはどこ、私は誰?」
眠りから覚めると、そこはトイレでした。洋式便座に抱き付くようにして寝ていたのです。なんで……? と思ったのもつかの間、激しい頭痛と込み上げてくる吐き気に襲われて、便器に顔を突っ伏しました。
「き、きもちわるい……」
どうしても状況が把握できずにケータイを手に取ると、友達からの10件を超える着信とLINEのメッセージ。「あぁ、そうだ。昨日はこの子と飲んでいたんだ」安堵したのも一瞬のこと。LINEに送られてきた画像を見て、卒倒しそうになりました。
上機嫌になって、隣で飲んでいる客にも絡みまくる私、踊っている私……。
「し、死にたい……本当に死にたい」
お金はきちんと払えたんだろうか、どうやって帰ってきたんだろうか。浮かんでは消える疑問をよそに、マーライオンのように吐き続けながら、私は誓いました。
「もう絶対に酒なんか飲まない」
しかし、どんなに誓いを立てようと、体調が良くなるわけではありません。このままだとせっかくの休みを棒に振りそうだ……。地獄のようなこの現状から這い上がりたい。そう思った私は、テレビから出てくる貞子さながら、這うようにして、昨晩飲んでいた新宿に向かったのです。
14:00しじみとラーメンの最強コンボ! 歌舞伎町でオルニチンを摂取せよ
しじみらーめん
ふらふらとしながらやってきたのは、新宿歌舞伎町。「何も食べたくないけど、何かお腹に入れたら楽になりそう」とぶつぶつ言いながら、ホテルとホストクラブがひしめく、ディープなエリアをずんずん進むと、「しじみらーめん」の看板が現れました。
しじみと言えば、2日酔いの強い味方。迷わず暖簾をくぐります。
店内には「ダイエット中でも食べられるラーメン」という主旨の言葉が書かれたポスターが貼ってあることもあってか、他のラーメン屋さんに比べ、女性のお客さんも多く入りやすい雰囲気。
「と、とにかくこの地獄から抜け出せるラーメンを1つください……」
注文したのは、醤油ベースの「しじみラーメン(黒)」(900円・税込)。穴じゃくしに入ったしじみたちがこんもり盛られています。……うーん、これは効きそうです。
一口スープをすすると……
「あぁ……! 五臓六腑に染み渡る……!」
醤油ベースのスープには既にしじみエキスが溶け込んでいて、塩気と醤油の香ばしさが弱った胃に優しく流れていきます。
また、「しじみラーメン」のすごいところは、スープのみでの注文ができるところ。さすがは、新宿歌舞伎町にあるお店。酒呑みたちの気持ちをわかってくれています。
▲しじみスープ(白)(550円・税込)
疲弊しきった肝臓と胃にオルニチンを染み渡らせ、ほんの少し生気が戻ってきた模様。スープの最後の1滴まで飲み干し、私は「しじみラーメン」を後にしました。
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営業時間
24時間営業 (日曜7:00~月曜10:00までは休業)
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利用金額
~990円
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TEL・予約
非公開
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URL
店舗情報はこちら (公式HP)
15:00カフェインで二日酔いさよなら! 新宿御苑近くのマンボな隠れ家カフェ
Spanish Harlem Cafe
気分が少し良くなり、なんとか歩けるようになった私は、太陽の光を体に浴びながらふらふらと新宿御苑の方までやってきました。
ウッ……やっぱりまだ気持ち悪いかも……。そう言えば、コーヒーも二日酔いに良いって聞いたことがあったっけ……。
そんな時、目に入ってきたのが『スパニッシュハーレムカフェ』。 雑居ビルの一角にあるこのお店……。ここなら静かに自分の身体を労われそうです。
と、思ったのも束の間。店内に流れていたのは、ラテンのリズム。それに至るところに飾られたCDとレコード。静かに過ごせると思ったんだけど……と一瞬がっかりしたのも束の間。なんだか自然とリズムに乗ってしまい、元気になってきました。自分の単純さがつらい。
▲普段はDJもしているオーナーさん
フリーWi-Fiが飛んでいるので、 昨日大量に届いていたLINEに次々謝罪の連絡をするのにうってつけです。
▲ 日替わりコーヒーの「イエメン」(500円・税込)
謝罪メールを送りまくるうちに出てきたのは、お目当てのコーヒー。苦味が強いテイストでありながら、サラリと口の中に広がる爽やかさ。
「あ~……生き返る~!」
コーヒーを飲んで、元気になったらお腹が空いてきました……。我ながら欲まみれで恥ずかしい限りです。
中南米の人たちがよく食べるというチリコンカルネ(800円・税込)を注文。トマトに玉ねぎ、ピーマンという「あっさりゾーン」と、チリビーンズにハラペーニョをあえた「ホットゾーン」が拮抗し、絶妙なバランスを保っています。ラテンの音楽を聴き、コーヒーを飲んで、スパイシーな料理で身体を温めたら、すっかり元気になりました。
しかし、なぜか胸がざわつくのはなぜ……?
私はしっかりとした足取りで、しかし、何かにとり憑かれたように、また歌舞伎町に戻っていったのでした。
イベントも充実しており、DJイベントや、サルサの教室、ショーなどが定期的に行われているこちらのお店。かなり「マンボ」な夜になりそうです。
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営業時間
10:00~20:00(イベント時は~23:30)日祝定休
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利用金額
~999円
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TEL・予約
03-6457-8375
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URL
店舗情報はこちら (公式HPへ)
17:30ビール・角ハイ100円! 新宿2丁目の酒呑みたちのパラダイス
ビール100円「たんと3」新宿歌舞伎町店
何だか胸騒ぎがすると思ったら、これだったのか……。やってきたのは、西武新宿駅からすぐのビール100円『たんと3』。
ハッピーアワーでもないのに、常時ビールが100円なんて怪しすぎる。そう、私の仕事はライター、自分の目で見て確かめたことを記事にするのが生業です。
仕方ない、これも仕事。
うんうん、仕方ない、仕方ない。
運ばれてきたビールを見て、はぁ……ため息が出ます。琥珀色のボディ……きめ細やかな白い泡……。あぁ、ビール、君に溺死したい……。 これが100円だなんて、きっと何かの罠だ……。謎を解き明かさなければ……。
そう思い、グビッと飲み干してみるものの一向に謎は見つかりません。
「100円ビールもう1つ、あとおつまみください」
謎を解き明かすためのお供に選んだのは、このお店1番人気のメニューである「わかめ」(540円・税込)。やっぱり、何にでも「相棒」は必要ですからね。
右手に持った箸でわかめをつまみ、左手はジョッキにロックオン。黙々とわかめとビールを交互に口に運ぶうちに、ふっと気づきました。
罠なんてない! ただ、旨いだけだ!
気づいてしまったものの、もう止めることはできません。次に注文したのは、「じゃがいもチーズ焼き」(540円・税込)、通称「ちーやき」です。
いかにも女性が好みそうな一品ですが、あ、そんなことよりビールが空になっている……。
「すいませーん、もう1杯!」
そして、ラスボスとして現れたのは、でかすぎるナポリタン。その名も「横綱ナポリタン」(1,050円・税込)です。総重量2Kgのナポリタンは、鬼気迫るものがあります。
味は、ケチャップが多めな、昔ながらの喫茶店のナポリタンな印象。
旨い!
旨い!
旨い!
もう一杯!
も、もう一杯!
もっとください!
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営業時間
17:00~翌5:00(L.O 4:00)定休日なし
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利用金額
~約1,990円
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TEL・予約
050-5570-1751
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URL
店舗情報はこちら (食べログへ)
FinSEE YOU NEXT PLAN
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眠りから覚めると、そこはトイレでした。
……上機嫌になって店を出たところまでは覚えているんです。 数十件にも及ぶ着信履歴。そしてLINEに送られてきた画像。上機嫌になって、ナポリタンで口の周りを汚しながら、隣で飲んでいる客にも絡みまくる私、踊っている私……。
「し、死にたい……本当に死にたい……」