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トルコ人とクルド系トルコ人、白昼の原宿で大乱闘 

2015年10月26日6時0分  スポーツ報知
  • 最も激しい午前11時ごろには600人が入り乱れた乱闘騒ぎ(Seyit Battal Kurtさん提供)
  • 乱闘の恐怖を語る負傷したクルド系の青年

 25日午前、総選挙の在外投票が行われた東京都渋谷区のトルコ大使館付近で、集まった人たちが殴り合うなどの乱闘騒ぎが午前6時50分ごろから断続的に発生した。警視庁原宿署や目撃者によると、最大で600人以上が集まったという。原因は、トルコ人とクルド系トルコ人との対立とみられる。騒ぎは午後には収束したが、7人が重軽傷を負ったほか、制止しようとした原宿署の警察官2人も頭に軽いけがをした。

 明治神宮や竹下通りをはじめ、毎週末には大勢の人でにぎわう原宿。そこからほど近い場所で、早朝から互いに殴る蹴るの大騒動が起こった。

 トルコ人とクルド系の衝突が起きたのは、JR原宿駅から北東に約500メートルほど離れたトルコ大使館前。居合わせた人たちによると午前6時50分ごろ、車に乗ったクルド系の若者が、トルコ人から暴力を受けたのが始まりだったとみられるという。双方が極右系政党や非合法武装組織の旗を掲げるなどしたことが、発端になったとの情報もある。

 この日は、11月1日にトルコで行われる総選挙の在外投票日。鼻骨折や右足打撲などの重傷を負ったというクルド系の男性(22)は「(トルコ人が)いきなり『選挙は誰に入れるんだ?』と聞いてきた。『誰に入れても自由だろう』と答えたら、暴力を振るわれた。死ぬかと思った」と振り返った。

 その後も、乱闘は断続的に発生。最も激しかったのが午前11時ごろに起きたもので、最大で600人以上が集まり、路上の車を蹴ったり、ブロックを投げ合ったりする騒ぎにまでなった。ペットボトルやコーン標識を投げ付け合う様子も見られ、近くに止まっていた観光バスは、窓ガラスにひびが入った。顔から血を流したり、警察官の制止を振り切る人もいた。

 日本に住んで12年になるというトルコ人の男性(32)は「(明治通りの)坂の上(代々木側)からトルコ人が、下(原宿側)からクルド系が近付いていって、ケンカになった。ベルトを手にしたり、石を握っている人もいた」。警視庁は機動隊を派遣し警戒。騒動は午後には収束した。

 その後は、投票者の列をトルコ人とクルド系に分け、10人程度ずつ大使館に入れながら実施。午後は10分程度で投票が済む形になったが、クルド系の中には「帰りに襲われるかもしれない」と仲間たちが投票を終えるのを待ち、警察官と共に原宿駅へ向かう人もいた。

 都内に住むクルド系男性(33)は「本国での平和を願って選挙に来たのに台無しだ」と怒りが収まらない様子。本国で深まる民族間の対立が、友好関係の強い日本に飛び火したことに「恥ずかしい」と話す人もいた。

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