池上彰氏、難民のハイテク化を報告 スマホで情報共有、GPSで目的地へ
2015年10月26日21時58分 スポーツ報知
ジャーナリストの池上彰氏(65)が26日、都内で行われた出版イベントで国際情勢などについて講演した。欧州などで増加傾向にある難民について、「報道では『シリアが崩壊したから難民が増加している』とありますが、理由はそれだけではありません」と述べ、所持品がハイテク化している現状を指摘した。
比較的裕福な難民はスマートフォンの全地球測位システム(GPS)を使い、移動することから確実に目的地に着くことができるとして、「スマホの充電は同行するボランティア団体が設備を持っています。通信料の支払いはプリペイドカードを使います」と説明。受け入れ態勢の整った安全な国を求め、スマホで情報共有しているという。
海外取材をする際は、書店の有無にも着目。活字への意識の高さが経済発展につながるとして、「その国に本屋があるかどうかが大切です。(かつて訪れたイランや中国では)みなさん本を読んでいるので、いずれ発展すると思いました。日本はどうでしょうか。電車の中ではスマホで電子書籍を読んでいるのかもしれませんが、中には指を激しく動かしている人もいますね(笑い)」と話していた。
今回、発売されたのは「池上彰のそこが知りたい! ロシア」(徳間書店、1296円)。ロシアのプーチン大統領の来日を見越して、帯には「プーチン 来日へ」とあったが、年内の来日は難しい状況に。「出版社のアテが外れてしまいましたね」と苦笑していた。