全国の寺社に油のような液体がまかれた事件に絡み、外務省は24日までに、千葉県香取市の香取神宮に液体をまいたとして千葉県警が建造物損壊容疑で逮捕状を取った米国在住で日本国籍の男(53)について、パスポートを失効させた。失効は14日付。
捜査関係者によると、男は米国永住権を得ているとみられ、旅券が失効しても直ちに帰国の必要はないが、第三国への渡航はできなくなる。県警は日米犯罪人引渡条約に基づき、米国に身柄引き渡しを求めていく方針。
旅券法では、2年以上の法定刑に当たる罪を犯した疑いで逮捕状が出ている容疑者に、外務省はパスポート返納を命じることができる。
男は3月下旬、香取神宮の建造物に液体をかけた疑いが持たれている。奈良や京都の寺などでも同様の被害があり、県警などは男の関与を調べている。男は米ニューヨーク在住の医師で、キリスト教系宗教団体の創始者と称している。〔共同〕