旅人ITライター中山です。2010年のオリンピックにむけて、日本国内も通信インフラによる「おもてなし」サービスが充実してきています。
例えば、Wi-Fiなら「Japan Connected-free Wi-F」とか。海外と比べても日本は無料Wi-Fiが結構普及してるほうだと思います。もちろん海外では飲食店などが野良電波に近いWi-Fiみたいなのを飛ばしてるので、それと比べれば少ないと感じるかもしれませんが。
さらにさいたま市では、外国人観光客向けに無料でSIMカードの配付なんてサービスも提供していました。日本のモバイル通信環境はエリアと品質で世界でもトップクラスなので、Wi-FiサービスよりもSIMを配るほうが使い勝手がいいんじゃないかと思います。
こんな感じで通信インフラの「おもてなし」が進んでいるわけですが、さいたま市のケースでは、限定2000枚で3GB/1ヵ月有効のSIMを配付という内容で、これを恒常化したサービスとするにはコストがかかってしまいます。
そこで注目なのが、モバイル通信先進エリアの香港。無料でSIMとデータ通信を配付しつつ、運営側もコストがかからない「i-Sim」が旅行者向けに提供されています。
i-simは、香港のMVNO「Green-i Sim Motion」が提供しているSIM。香港国際空港の到着ロビーに同社のカウンターがあり、ここでSIMを入手することができます。
ちなみにウェブサイトでは、専用アプリをインストールして予約をしてからピックアップと書いてありますが、私が試したときは予約なしでもカウンターで受け取れました。ただし混雑していると予約優先といったケースも考えられるので、できれば予約して行ったほうがいいかも。
そのほかSIMの登録作業やAPNなどの設定項目は、パッケージに付属している説明書に記載されています。
i-Simの特徴は、専用アプリの広告をクリックすると、音声通話とデータ通信用のチャージができること。初期状態では50MBぶんがチャージされていて、広告をクリックしていくと追加で100MB、最大150MBまでチャージ可能です。
チャージが少なくなってきたときは、再度広告をクリックすればオーケー。有効期限は7日間なのでその期間中無料で通話(1分=1MB)と通信ができちゃいます。広告のクリックは、ソーシャルゲームのガチャを引くように、パシパシとタップ。円グラフのチャージが貯まっていってちょっと楽しいです。
通信方式はW-CDMA(3G)なので、通信速度は期待できませんが、メールやSNSの投稿程度なら問題ないレベル。なんといっても旅行者としては無料で通話と通信が節約できるのがウレシイ。
さらにSIMを提供するほうも広告料で運営できるというわけです。表示される広告は、レストランなど旅行中でも活用できるものが多く、ガイドブック的な使い方もできるのでマイナスイメージはあまりありません。スマホなら位置情報などを活用して、その場所にあった広告を表示させるといったこともできそうです。
私が使用したときは香港だけでしたが、マカオと台湾をエリアとした「i-Sim Card HK-TW-MO」も登場予定。
こちらは98香港ドル(約1500円)の年会費が必要ですが、香港、マカオ、台湾で同じように無料通話&通信が利用できます。
日本でもこういったサービスを提供すれば、さらなる「おもてなし」が実現できると思いますよ!