新名称募集→今の名称最多 京都市上下水道局、変更「水入り」
来年度の名称変更を検討している京都市上下水道局が市民に新しい名称案を募ったところ、現行名称の存続を求める意見が最多となった。2番目に多い意見も11年前になくなった「水道局」で、従来の名称に愛着を持つ市民も多いことが明らかになった。同局は「一番多かった案を採用するわけではない」としつつも、戸惑いを隠せない。
同局では近年、従来の水道水供給や下水処理以外にも、災害防止や環境対策などの業務を担うようになり、「多様な業務にあったふさわしい名称が必要」と、4月末から8月末まで市民から案を募集した。
4710人から4734件の案が寄せられ、「上下水道局」が289件で、「このままでよい」「変える必要はない」との回答を含めると計415件(8・8%)でトップとなった。2004年4月に下水道局との統合で消えた「水道局」が312件(6・6%)と続いた。
3番目に多いのは「水循環局」の143件(3%)、4番目は「水環境局」の130件(2・7%)。このほか、上下水道局のマスコットキャラクター「澄都(すみと)くん」を使った「澄都局」などユニークな案も。
名称変更をめぐっては、看板更新などで4600万円の経費がかかり、一部市議が「そんな予算があるなら老朽化した水道管の更新に使うべき」と議会の委員会で撤回を要求。また応募結果を受け、与党会派からも「来年度の変更にこだわる必要はない」と慎重審議を求める意見が出始めた。
同局職員課は「存続を望む意見以外にも幅広い案が多数、寄せられた」と強調するが、「最初から変更ありきではなかった」と「上下水道局」を存続させる可能性も示唆。変更の有無も合わせ、年内に結論を出すという。
【 2015年10月26日 08時00分 】