<財務省>公立小中学校教職員3500人規模削減方針
毎日新聞 10月26日(月)20時29分配信
財務省は26日、公立小中学校の約69万4000人の教職員数(自治体が自主的に雇用する教職員は除く)について、2016年度予算編成で3500人規模の削減を求める方針を決めた。少子化で学級数が減ることで、24年度までに約3万7000人を削減すべきだと主張している。これに対し、文部科学省は8月末に提出した概算要求で、16年度の削減数を60人にとどめるよう求めており、年末の予算案決定に向けた折衝は難航必至だ。
同日開かれた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)財政制度分科会に提案し、大筋で了承を得た。15年度予算の教職員人件費の国庫負担分は1兆5284億円。16年度予算案が財務省の方針通りに決着すれば、70億〜80億円規模の削減になるという。
財務省は、現在969万人の児童・生徒数が24年度までに94万人減り、38万7000ある学級数も2万1000減ると想定。現行の1学級当たり平均1.8人の教職員の配置割合を維持した場合、24年度までに3万7000人の削減が可能としている。
一方、文科省は「教育現場は慢性的な人手不足」と主張。いじめ問題に対処したり、児童や生徒参加型の授業など学習内容の充実化を図ったりするためには、大幅な削減には応じられないとの立場だ。24年度の教職員数を現在より約5000人減にとどめる人員計画も策定済みで、両省の主張は大きく隔たっている。
15年度予算では、教職員数は3100人の削減となり、2年連続で削減数が3000人を上回った。財務省は人手不足について、部活動の指導や書類作成などで教員の負担が大きいことが一因と分析。教員が授業に専念できる環境を整えるため、地域ボランティアなど外部の人材の協力を得るための施策などに予算を振り向けるべきだとしている。
また、財務省はこの日の分科会で、16年度予算編成で「思いやり予算」と呼ばれる在日米軍駐留経費の日本側負担(15年度は1899億円)を減額すべきだとする見解を示した。既に外務・防衛両省が米政府と減額交渉に入っており、12月までに結論を得る。【宮島寛】
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