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コストコ崩落事故:建築士に禁錮刑求刑 弁護側は無罪主張

毎日新聞 2015年10月26日 22時31分(最終更新 10月26日 22時39分)

地震で崩壊し8人が死傷した駐車場のスロープ=東京都町田市で2011年3月12日、本社ヘリから西本勝撮影
地震で崩壊し8人が死傷した駐車場のスロープ=東京都町田市で2011年3月12日、本社ヘリから西本勝撮影

 東日本大震災で町田市の大型量販店「コストコ多摩境倉庫店」の駐車場スロープが崩落し、8人が死傷した事故で、業務上過失致死傷罪に問われた1級建築士、高木直喜被告(68)=石川県野々市市=の公判が26日、地裁立川支部(阿部浩巳裁判長)であり、検察側は禁錮1年6月を求刑、弁護側は無罪を主張し、結審した。判決は来年2月8日。

 高木被告は設計業務のうち構造設計の変更を担当。検察側は論告で崩落原因を「店舗と、店舗とつながったスロープは構造が異なり、揺れ方が違ったために、店舗とスロープとの接合部の鋼板が大きな力を受けて破断した」と指摘。

 その上で「高木被告は、構造設計の前提となる図面の精査を怠り、接合部が鋼板のみではなく(大きな力に耐えられる)床でつながれていると勘違いして構造設計をした。その後、食い違いに気付いたはずなのに関係者に説明しなかった」と述べた。

 弁護側は「被告に関係者への説明責任はなく、被告の設計通りに建築していれば事故は起きなかった」と主張した。

 事故では震度5強の揺れでスロープが崩落。下敷きになった車に乗っていた夫婦が死亡、6人が負傷した。【賀川智子】

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