二次試験となる実技試験を12日の日曜日に受けてきました。(at 國學院)
一次試験の学科は第一回となる2014年3月に受験し合格。二次試験も昨年受けよ
うと思っていたのですが、なんと弁理士試験(論文式)と同じ日ってことで断念。
学科に一回合格すれば「一部合格」という扱いになり、2回は実技試験が受けら
れるという免除制度があるので、自動的に背水の陣となりますが免除制度を利用
して受験することとなりました。
試験の翌日午後には事務局サイトで正答が発表されます。
昼休みには発表されていたので、職場でさらっと確認。
合格基準点は60%以上とのことだったので、口述問答の手応えと総合しても、
不合格はなさそうです。よかったよかった。なにしろ実技試験は受験手数料が
23,000円と高額ですからね。学科試験も8,900円ですから、弁理士試験と比べる
とどうにも高いイメージです。
今回の問題は、前回の問題(過去問)に比べてやや難易度高めになってました。
前回は商標だけでしたが、今回は意匠も入っていました。とはいえ、その点にお
いて急激に難易度が上がったというわけではないのですが。
以下、問題に対する雑記。
問1 商標法3条1項柱書違反について
小売等役務を2つ指定することで拒絶となる事例。「自己の業務にかかる…」と
いう3条1項柱書を覚えていることが口頭試問で要求されました。
問2 商標法4条1項11号違反について
過去問でも同様の問題がありましたが、ちょっと違った角度からの問題になって
いました。外観、称呼、観念の類否判断の手法がわかっていることが要求されて
いるのかな。口頭試問では指定商品の上位概念、下位概念を踏まえた上で、50条
の不使用取消審判の適否を答えさせる問題でした。
問3 米国商標実務について
これは難しかった。筆記はなんとなく正解したけど、口頭試問で苦しみました。
Qualitex事件で示されたような「Utilitarian Functionality(実用的機能性)」
と「Aesthetic Functionality(審美的機能性)」を答えさせるというもの。こ
の審美的機能性が答えられず、この問題はパス。
問4 欧州でのロゴマークの権利化について
CTM共同体商標登録がダメだった場合に、ロゴマークについてEU全体で保護を受
けるにはどうする? という問題。試験官が「登録という観点で、他にどういう
制度を使えばいいと考えられますかね?」と水を向けてくれたので、CD(共同体
意匠)制度を使えばいい、と答えればOKという問題でした。
問5 中国商標法の2014年改正について
まず中国商標法は2014年に改正されているということについて知らないともうダ
メな問題(笑)。従前の問題が改正後どうなったか。で、従前は一出願一区分制
でしたが、改正後は一出願多区分制になりましたと。だけど、その多区分の一部
を他人に譲渡することができるか、というのが口頭試問の問題でした。「できま
せん」と答えると、法律的にはどういう理由でできないのか、と問われましたの
で、「日本の商標法24条の2のように、一部分割して移転できるという条文がな
いからです」と答えてクリアでした。
感想として、口頭試問はかなり苦しかったです。ただ、弁理士試験に比べれば雰
囲気も和やかで、合格させようという意図が強く感じられました。
なお、正午集合で5人ずつ待合室から筆記試験室、口頭試問室へ移動していくの
ですが、私は幸い最初のグループでした。待合室で待たされることなく、13時30
分頃には解放されて猛暑の中をスーツでテクテク渋谷駅まで戻りました。
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