任期付審査官として採用になるとどういうスケジュールで何が行われるのか、ちょっと紹介です。
4月30日の採用当日には入庁式が行われ、特許庁長官から辞令交付が行われます。
実はこのとき初めて自分の担当部門と、職級(つまり給料)が判明します。
したがって、転職活動にあたって自分の給料が上がるのか下がるのか、採用当日までわからないままということです。
民間では考えられないことだと思いますね。
入庁式後、各々審査長に連れられて各部門室に移動します。行った先でいきなり挨拶をします。
自分の席に案内され、指導審査官を紹介されます。
任期付審査官であれば基本的には最短2年間、指導審査官について審査を行っていくことになります。
翌日からは早速研修が始まります。
任期付審査官初任研修というやつですが、弁理士資格をもっているといくつか科目が免除になったりします。
(とはいえ、なにもしないのもヒマなので、講義には出ろと言われますが)
初任研修では法律だけでなく、国家公務員としての倫理研修や、長時間ディスプレイを見続けるという業務形態を鑑みて、目のケアについての研修もあります。
初任研修の「座学」が一ヶ月半くらいで終わると、今度は合議研修が始まります。これは簡単にいえば2〜3人で相談(合議)して拒絶理由通知を起案するという研修です。
まず拒絶理由通知の詳細版(審決形式)を学び、その後に通常形式の起案を練習します。毎日スケジュールがびっしり決まっていて、また、法定研修ということもあって休むことができません。体調管理は非常に重要といえます。
合議研修が終わると、やっと実際の案件(実案件)にとりかかります。
つまり、この時点からノルマに追われることになります。
「公務員にはノルマはない」なんていうのは大きな間違いで、特許審査官には明確にノルマがあります。
指導審査官の助言をうけつつ審査を進めつつ、初任研修の次の研修、「前期研修」が次に控えています。
この前期研修が非常に厳しくて、当然ながら落第者も出ます。
この研修とその後の後期研修があるがゆえに一定期間審査官をやった者は弁理士試験の一部免除が受けられたりするともいえます。
弁理士試験を受けるより特許庁の審査官になって弁理士資格をとるほうがラクとかいう話をする人がいますが、まったくの失当だと思います。
そもそも審査官の採用試験が弁理士試験並の合格率で、さらにそこから厳しい研修を経て審査官になるのですから、弁理士資格に十分相当すると考えられます。
⇒弁理士試験に合格してから審査官になると一般の採用者よりいろんな意味でかなりラクできるという面は確かにありますが、それは先に苦労をしたわけですから当然とも考えられますね。
要は、安易な道なんてないよ、ってことですね。勉強しましょう。
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