最近「韓国の金融はウガンダにも劣る」という言葉がささやかれている。滑稽にも聞こえるが、大統領や経済副首相もそんな言葉を繰り返す。「ダボスフォーラム」として知られる世界経済フォーラム(WEF)は先月30日、今年の国際競争力ランキングを発表した。韓国は140カ国・地域で26位に入ったが、金融分野では87位だった。問題のウガンダは81位だった。
朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は今月5日、大統領府(青瓦台)のブレーンらと会議を持ち、金融改革の必要性を強調。「金融部門の順位が低く、総合順位の足を引っ張っている」と述べた。チェ・ギョンファン経済副首相も「ウガンダにも劣る」と金融業界をたたいた。金融改革がいくら重要だといっても、事実と異なることを明らかに知っていながらそんなことを言っては困る。
WEFは140カ国・地域を対象に114項目を調べた。「金融市場の成熟度」と題する金融部門の評価は全8項目のうち、1項目(法的権利指数)のみ世界銀行による評価を引用する。残る7項目は各国の企業を対象にした調査の結果だ。
その調査方式は問題点だらけだ。設問は「金融部門は企業の要求を満たすさまざまな商品やサービスを提供しているか」といった単純なもので、漠然としている。回答は1点から7点までで選ぶ。主観的な評価と言える。
調査対象は企業経営者だ。正確に言えば、最高経営責任者(CEO)など序列3位以内の経営陣だ。WEFが独自に140カ国・地域を調査することはできないため、韓国では韓国開発研究院(KDI)が代行した。従業員500人を基準に大企業と中小企業をそれぞれ50社無作為に選んだという。そうやって選ばれた100社に回答を求めたところ、辞退する企業が多く、苦労して100社を集めたという。今年だけでなく、調査は毎年同じ方式で行われている。
WEFの設問に答えた企業経営者100人による評点を残る139カ国・地域の企業経営者の回答と比較したものだから、「借り入れの容易さ」は119位、「銀行の健全性」は113位、金融分野の総合評点ではある「金融市場の成熟度」は87位だった。
87位という順位は、15歳以上の国民の70%が銀行口座を持たないウガンダの順位を6段階下回った。ウガンダの隣国ケニアは42位、ルワンダは28位だ。ルワンダは成人10万人当たりのATM設置台数が4台にすぎない。韓国には290台ある。
調査に応じた企業経営者は誰もそんな順位を予想しなかったはずだ。ただ「先進国レベルにはまだ劣る」と思って点数を付けたように思える。スマートフォンの「ギャラクシー」や乗用車「ソナタ」で世界的に知られる韓国製造業の成果に比べ、金融業がぱっとしないのは事実だ。とはいえ、「ウガンダに劣る」というのはナンセンスだ。ウガンダやルワンダの国民が「金融先進国として評価された」と騒いでいるはずもないのに、WEFのランキングに過敏に反応するのはいかがなものか。笑いすぎてあごが外れる前にウガンダの話題はやめよう。