警察大学治安政策研究所が昨年5月に警察官8526人を対象にアンケート調査を行ったところ、全警察官の53.2%が毎月1-4件の悪意のある苦情に遭遇すると回答した。23.2%は月平均で5-9件、10.4%は20件以上と答えた。警察官たちはこの調査で最もストレスを感じる要因として「感情労働」を挙げた。悪意のある苦情から受けるストレスは5点満点中4.15と、「極悪犯への対処」(3.62)、「懲戒や昇進」(3.85)、「同僚や上官」(3.7)を上回った。
警察署の苦情受け付けセンターは、数多い署内の部署のうち感情労働の占める割合が最も高い所だ。ソウル市の警察署苦情受け付けセンターで勤務するある室長は、警察署の苦情受け付けセンターを「ごみ箱」に例えた。経済チームや刑事係など調査される部署では自分が不利になることを恐れて大きな声を出せないことが多いが、調査が終わり家に帰る前に警察署の入り口に設置された苦情受け付けセンターに立ち寄り「なんで警察はいつもこうなのか」と不満をぶちまけるケースが後を絶たない。
また、捜査部署でも捜査結果に不満を持った人々が、捜査の歪曲(わいきょく)や不当な待遇に遭ったとして悪意のこもった苦情を寄せるケースが少なくない。ひとまず苦情が寄せられると、あちこちから呼ばれて調査されることになる。今年8月にソウル市江南地域で勤務する警察官は被疑者に「手錠をかけたまま食事を与えなかった」という理由で国家人権委員会に提訴された。当の警察官は「事務室の他の人々が見ている前で食事を取らせた。結局身の潔白は証明されたが、潔白が証明されるまでの過程がストレス」と首をうなだれた。