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“創作への苦悩” 乱歩の未発表手記見つかる
10月27日 5時55分

“創作への苦悩” 乱歩の未発表手記見つかる
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ことし、没後50年となる作家、江戸川乱歩が、昭和11年に書いた未発表の手記が見つかり、乱歩の創作への苦悩をうかがわせる貴重な資料として注目されています。
「独語」と題されたこの手記は、江戸川乱歩の遺族が立教大学に寄贈した資料の中に含まれていたもので原稿用紙38枚にわたっています。
手記には、昭和11年6月18日から7月5日までの日付が付けられ、発表を前提とせずに書かれたものとみられます。
当時、乱歩はすでに人気作家となっていましたが、手記では、生活のために続けている探偵小説の連載について、「どうしてこんなに書くことができないのだろう。つまらないものにもせよ。少しでも情熱が出なければ、人前に出す気になれない」と書いて執筆の苦しみを告白しています。
また、ジイドやニーチェなどの作品に感銘を受け、みずからの芸術性を深めようとする姿が率直につづられ、最後は、小説家という存在について「異端者である彼の心持を、どうかして他人に分かって貰おうとして、一生の間叫びつづけるものである。作品とはその叫び声の外のものではない」と締めくくっています。
調査にあたった成蹊大学の浜田雄介教授は「人気作家となっても、文学へのみずみずしい気持ちを失っていない乱歩の姿がうかがえる貴重な資料だ」と話しています。

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