【コラム】ワシントンに親韓派の「ムクゲクラブ」が必要だ

 日本政府は昨年「日本側の基本方針と対処が正当な評価を受けられるよう、対外広報を強化」することを決定、広報外交予算を前年の3倍近い520億円に増やした。目標は、領土の保全と歴史認識を含めた日本の姿勢を周知させ、日本の魅力を伝え、日本に友好的な人を増やすことだ。米国の要人たちの日本寄り発言が相次いでいるのを見れば、こうした政策が効果を挙げていると言わざるを得ない。

 外交部傘下機関、国立外交院のキム・テファン教授によると、日本の広報外交予算は韓国の9倍ほどだ。韓国も努力をしなかったわけではなく、これまで米国の複数のシンクタンクに働き掛けてきた。国際交流財団は2009年、戦略国際問題研究所(CSIS)に寄付金で研究活動を行う「韓国碩座(せきざ)」職を設け、昨年にはSKグループと共同でブルッキングス研究所に韓国碩座職を新設した。また、現代自動車グループとはウッドロー・ウィルソン・センターに韓国歴史・公共政策研究センターを設置した。だが、日本と比べるとまだ不十分だ。

 先ごろ訪米した朴槿恵(パク・クネ)大統領は「韓米同盟は世界で最も強力な同盟になるべきだ」と述べた。強力な同盟を築くには、公式的な外交関係も盤石であるべきだが、同時に相互理解の裾野を広げていかねばならない。シンクタンク、議会、学校などさまざまな分野で、韓国を理解し、韓国のために声を上げてくれる人々を増やす必要がある。それは単に日本との競争を意識してのことではない。米中の狭間での微妙な立場を説明する上でも役立つに違いない。ワシントンの「政策アイデア生産拠点」に対する投資は、意外に高い利益を生むかもしれない。そしていつの日か、米国で「無窮花(=ムクゲ、韓国の国花)クラブ」が誕生すると期待したい。

姜仁仙(カン・インソン)論説委員
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