国産戦闘機開発に必要な技術が米国から移転されないことに伴う混乱を収拾するため、大統領府は責任者一人を辞任させることで問題に決着をつけようとしている。大統領府と政府はこの混乱が国益にどれだけマイナスになるか、まだ十分に理解していないようだ。今回の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の訪米直前、米国側からこれ以上技術移転問題に言及しないよう文書で通知を受けていたことも伝えられた。遠回しの表現だが、これは誰が見ても明確に拒否すると伝えているのだ。ところが韓国の国防長官は米国の国防長官に再び技術移転を要請し、当然のことながら拒否された。国のメンツが徹底的につぶされたのだ。
最初から技術移転を念頭に置いていたことも問題だ。その技術は今のところ米国から他国に一切移転されていない核心技術だ。米国の同盟国である英国やイスラエルにも移転されていない技術が、米国と米国の仮想敵国である中国の間で綱渡りをせざるを得ない韓国に移転されることなど最初からあり得ない。国防当局はこのような簡単なことさえ理解できていないようだ。この程度の頭しかない安全保障担当者が、北朝鮮の核の脅威にさらされた状態で、米国と中国という2頭のくじらの間を泳ぎ切ることなどできるのだろうか。100年前の桂・タフト協定が頭をよぎる。