「冬至にカボチャを食べるとカゼをひかない」と言われます。 生命力の落ちる冬至に栄養豊富なカボチャを食べて、元気をつけようという人々の願いの現れでしょう。 荒地でも育ち貯蔵もできるので、世界中で広く栽培されています。 ハローウィンやシンデレラの馬車など、ユーモラスな形と甘い美味しさで、子供にも親しまれる野菜です。 (写真は日本カボチャの黒皮) |
品種 | ウリ科カボチャ属。野生種は根の部分が越冬しますが、栽培種は一年生です。色々な風土になじむので世界中で栽培され、 品種や変種も多い。 |
原産地 | カボチャの原産地は中南米というのが定説ですが、30年ほど前の資料では原産地についてインド、ナイル河沿岸、ペルー、アンゴラ、 南アジアなどの諸説が紹介されて確定していませんでした。 それぞれ各地で、「野生種に近い種が見つかった」、「古い文献にカボチャが載ってる」、「古墳からカボチャの種が見つかった」 などが根拠になっていました。最近になって中南米の遺跡の研究が進み、メキシコの洞窟で紀元前7000年〜5500年の地層から カボチャの種が発見されて、中南米原産説が定説になりました。 日本には1541年に大分に漂着したポルトガル船が、大名の大友宗麟にカンボジア産のカボチャ (現在の日本カボチャ)を贈ったのが最初と言われています。 この時にカンボジアから持って来たのでカンボジアがなまってカボチャと呼ぶようになったそうです。 |
種類 | カボチャには、大きく分けけて日本カボチャ、西洋カボチャ、ペポカボチャ、
とそれらの交雑種があります。 ●日本カボチャ− 学名の Cucurbita moschata の"moschata"は麝香(じゃこう)の事で、良い香りがするという意味。 見た目が美しいのですが、栽培に手間がかかり収量が少ない事と、甘味の強い西洋カボチャが好まれるという事で栽培が減少し、 今では10%以下になってしまいました。甘味が少なく粘質で、薄味の和風の煮物にむきます。
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旬 | ほとんどの種類が夏に収穫されまですが、3〜4ヶ月貯蔵するとデンプンが糖分に分解されて美味しくなるので、 秋から冬にかけての方が旬であると言えます。貯蔵しやすく南半球からの輸入も多いので、 ほとんど一年中安定した価格で供給されています。 |
成分 | 代表的な緑黄色野菜でビタミン類が豊富。特に西洋カボチャはカロチンを豊富に含んでいます。 主成分は糖質(デンプン及び糖)ですが、日本カボチャで100gあたり7.9gなのに対し、 西洋カボチャは倍以上の17.5gに達しています。西洋カボチャが甘味が強い事を示しています。 |
調理法 | カボチャを包丁で切るのは大変ですね。そんな時には電子レンジで加熱してから切りましょう。西洋カボチャ4分の1に対して 5分の加熱が目安です。その後、切ってから煮たり蒸したりすればいいのです。 電子レンジを使う時はラップをかけないほうがホクホクと仕上がります。 |
目利き | カボチャには熟成が必要なので、熟成具合を見て買います。切ってある場合には赤みが強い方が熟成が進んでいます。 丸ごと買う場合には、ヘタを見てコルク状に枯れている物を選びます。 |
市場 |
日本国内で年間約25万トンが収穫され、このうち45%が北海道産です。
過去には65万トン(1940年代)も作られた事もありましたがその後減少。
70年代に25万トン程度に下がってからは微増傾向で現在に至っています。 保存が利くので輸入も多く、ニュージーランド、メキシコなどから年15万トンが輸入されます。 |