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 インターネットを通して配信されるニュース記事が実は広告だとしたら――。そんな事態が今年の春以降、相次いで発覚し、ニュースサイトや広告会社がおわびや釈明を続けている。なぜ、「広告」の表記が抜けるのか。

 問題提起したのは、ブロガーの山本一郎さん。「広告」と表記することなしに、さくらのように第三者を装って良い評判を流すなど、特定の企業や商品に好意的な「記事」がいくつも書かれている、と自らのブログで4月に告発した。

 広告の形式や内容が記事と一体化していて、「ステルスマーケティング」(ステマ)とも呼ばれる。レーダーに映りにくいステルス戦闘機のように、ステルスは「こっそり行う」という意味。1、2年前から広がり、対象となる商品は、化粧品や健康食品、ゲームなど幅広い。例えば、「通信会社はA社のサービスが一番早い」といったほめ言葉が添えられる。

 最大手ニュースサイト「ヤフーニュース」も7月、ステマ広告について「優良誤認として景品表示法違反に問われる可能性もある悪質な行為。積極的に排除し撲滅したい」との考えを公表し、マイナビニュースなど2社3媒体との契約を解除した。その後も9月に1社の配信を終了させ、12月までに複数社の配信を打ち切る予定という。

 朝日新聞の取材に、マイナビ広報部は「チェック態勢が甘かった。現在は、タイアップ記事に提供会社名を明示し、広告企画と編集記事の区別を明確にしている」と話す。