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「アップルのパクリ」と言われるシャオミ、急成長の本当の理由
小米科技(シャオミ)をご存知だろうか?Androidベースのスマートフォン「Mi」シリーズなどを開発・販売する中国のスマートフォンメーカーだ。中国のほかインド、フィリピン、インドネシアなどで製品を販売しており、ブラジルにも進出する計画を持つ。2010年に8人で創業したばかりのベンチャーでありながら、世界トップクラスのメーカーに急成長したことから、世界的に大きな注目を集めている企業である(写真1)。
シャオミはスマートフォンだけではなく、テレビ、体重計、空気清浄器など家電製品にも製品ジャンルを広げている。10月19日には簡易版セグウェイともいえる「Ninebot Mini」(関連記事:Xiaomiが出資するNinebot、小型立乗りスクーター「Ninebot mini」を発売へ、画像はこちらへ)を、1999元(約3万8000円)という低価格で販売すると発表して、世界中で話題となった。しかも、シャオミ傘下のナインボットは、本家のセグウェイを4月に買収していた。
たった6年で世界トップクラスに成り上がる
まずは、シャオミの急成長ぶりを紹介しよう。調査会社の米ガートナーによると、2014年にシャオミはスマートフォン端末約5600万台を販売し、販売台数で世界8位の位置につけている。その後も躍進を続けており、2015年には、8000万~1億台を販売する見込みである。仮に他社の販売数がほぼ同じで推移すれば、サムスン電子、アップル、マイクロソフト、レノボなどのメーカーとともに、世界のトップ5に入る。
驚くべきなのは、シャオミは設立からまだ6年の新興メーカーであることだ。シリコンバレーに目を向ければ、シャオミ以上のハイペースで急成長する企業もある。たとえばフェイスブックは2004年の設立から6年の時点で、約6億人の月間アクティブユーザーがいた。ツイッターも2006年の創業から7年後に上場した際には、約2億4000万人の月間アクティブユーザーを抱えていた。しかし、シャオミのようにハードウエアメーカーで、これほど急激に大きくなった会社は見当たらない。
さらにこの間、スマートフォンメーカーが全部成功していたわけではない。筆者はかつて、通信の専門誌「日経コミュニケーション」で記者をしており、日本メーカーや通信事業者にも取材していた。取材を通して通信技術をゼロから教えてもらったこともあり、メーカーの方々を尊敬してきた。
ところが、そうした日本の端末メーカーはここ数年、苦戦を強いられている。2013年にはパナソニック モバイルコミュニケーションズやNECカシオモバイルコミュニケーションズ(現NECモバイルコミュニケーションズ)が、コンシューマ向けスマホ事業から撤退した。同時期に、シャオミはベンチャーでありながら大躍進を遂げた。筆者は昨年から、シャオミ躍進の“本当の理由”を知りたくてうずうずしていた。
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