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» 2015年10月26日 17時00分 UPDATE

Weekly Memo:AWSのナンバー2が語るパートナーエコシステムの差別化戦略 (1/2)

クラウドサービスで躍進を続けるAWS。その大きな原動力であるパートナーエコシステムの取り組みについて、米国本社ナンバー2のアダム・セリプスキー氏に話を聞いた。同氏が語る競合他社との差別化戦略とは――。

[松岡功,ITmedia]

競合他社の追随を許さない規模こそが最大の優位性

 米Amazon Web Services(AWS)が10月22日(現地時間)に発表した2015年度年第3四半期(7〜9月)の決算は、売上高が前年同期比78%増の20億8500万ドル、営業利益が同5.3倍の5億2100万ドルと、引き続き躍進し続けていることが明らかになった。2015年度通年の売上高は70億ドルを超える勢いだ。

 そんなAWSのクラウドサービス事業躍進の大きな原動力であるパートナーエコシステムの取り組みについて、米国本社の実質的ナンバー2であるアダム・セリプスキー バイスプレジデントが来日したのを機に話を聞く機会を得た。以下、一問一答でお届けする。

―― まず、クラウドサービスにおけるパートナーエコシステムの重要性について、どのように考えているかをお聞かせいただきたい。

wkmm01.jpg 米AWSのアダム・セリプスキー バイスプレジデント

セリプスキー 多くの企業でクラウドサービスのメリットが認識されるようになり、自社のシステムをこれまでのオンプレミスから移行する動きがますます活発化している。しかし、オンプレミスと同様以上のケーパビリティをクラウドで実現するためには、AWSが提供する技術やサービスだけでは足りない部分がある。その部分についてそれぞれ得意分野を持つパートナーに腕を振るっていただき、力を合わせてお客様にご満足いただけるようにすることが非常に重要だと考えている。

―― パートナー企業数の推移は。

セリプスキー 当社のパートナーエコシステムである「AWSパートナー・ネットワーク」(APN)には現在、グローバルで数万社のパートナーが参加している。APNは、コンサルティング会社やシステムインテグレータからなる「コンサルティングパートナー」と、ソフトウェア開発会社などからなる「テクノロジーパートナー」に分かれており、日本ではコンサルティングパートナーに119社、テクノロジーパートナーに147社が参加している。それぞれの得意分野を持っており、参加社数の拡大とともに、多種多様なお客様のニーズに対応できる範囲が広がってきている。

―― パートナーエコシステムとして、競合他社との差別化戦略をお聞かせいただきたい。

セリプスキー まず、どこよりも早くクラウドサービスを手掛け、新しい技術やサービスを提供し続けてきた中で、早くからクラウドに対応した技術力を持つパートナーに支援していただき、それがパートナーエコシステムとして、現在のように競合他社の追随を許さないような規模になっているという状況そのものが、最大の差別化ポイントだと考えている。

 その過程においてはAWSとしても設立当初から相応の投資を行い、多種多様なお客様のニーズに対応するためのパートナーエコシステムづくりに注力してきた。そうして培ってきた信頼関係に基づく真のパートナーシップを築き上げてきたという自負がある。

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