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      未使用の科研費 返還できず

      未使用の科研費 返還できず

      懲戒処分を受けた岡山大学の教授が国から交付を受けた昨年度の科学研究費のうち、使われなかった数百万円が返還されないまま大学の口座に残っていることがわかりました。
      岡山大学と教授は懲戒処分をめぐって裁判で争っていて研究費を交付する日本学術振興会は大学に早期に返還してほしいとしています。
      岡山大学薬学部の元学部長の森山芳則教授は、神経細胞とグルタミン酸の関係に関する研究で、国の科学研究費を交付する日本学術振興会から昨年度の研究費としておよそ1400万円の助成を受けました。
      しかし大学が去年9月、森山教授にハラスメント行為があったとして停職9か月の懲戒処分にし研究費の使用を凍結した結果、関係者によりますとおよそ560万円が研究年度をまたいで大学が管理する口座に残ったままになっているということです。
      また、日本学術振興会に5月末までに提出しなければならない収支や研究結果の報告も提出されない事態になっているということです。
      岡山大学は懲戒処分によって森山教授が研究活動を行える状態になかったとして研究費の返還手続きをとるよう求めていますが処分をめぐっては岡山地方裁判所が重すぎて違法だとする判断を示し現在も森山教授と大学の間で裁判が続いています。
      日本学術振興会では、「使わなかった研究費があるのであれば、双方で話し合いをした上で、早期に返還の手続きをとってもらいたい」と話しています。
      これについて岡山大学は「お金が浮いたままになっていることが問題だという認識はあるが、返還できないのは大学側だけの問題ではない。手続きが進めばすぐにでも返還したい」としています。
      一方、森山教授は「懲戒処分が違法という判断が司法で出ているのだから、研究活動を行える状態にないというのはおかしい。大学が一方的に凍結したことが問題だ」と話しています。

      10月26日 13時35分