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福島第一原発 汚染水「遮水壁」が完成
10月26日 18時40分

東京電力福島第一原子力発電所で汚染された地下水が海に流れ出すのを抑えるため、護岸を鉄の壁で囲う「遮水壁」と呼ばれる設備が26日完成し、事故から4年半余りたって汚染水の海への流出対策は大きな節目を迎えました。
福島第一原発では毎日400トンの地下水が敷地から海に流れ出していて、一部は原子炉建屋の周辺など汚染された場所を通るため、海を汚染する原因の一つと指摘されてきました。
このため東京電力は、事故の翌年の平成24年から護岸沿いの地中に深さ30メートル、全長780メートルにわたって鋼鉄製の壁を設け、汚染された地下水をせき止める「遮水壁」の建設を進めてきました。これまでに鋼鉄のパイプおよそ600本が並べて地中に打ち込まれていて、東京電力は、26日午前、パイプの隙間をセメントで埋める作業が終わり、建設作業が完了したと発表しました。
遮水壁でせき止めた地下水はポンプでくみ上げ、浄化して海に流す計画で、パイプの打ち込みが終わった先月からの1か月で地下水位がおよそ1メートル上がり、効果が現れてきているとしています。遮水壁が完成しても完全に地下水をせき止めることはできず、試算では1日10トン程度は海に流れ続けるとみられますが、東京電力は、放射性物質の流出は抑えられるとしています。
事故から4年半余りたち、汚染水を巡る大きな課題の1つとなってきた海への流出対策は、大きな節目を迎えました。東京電力は「遮水壁によって海の汚染を防ぐとともに、汚染水漏れがあっても海に流出するリスクを大幅に低くできる。今後、海水に含まれる放射性物質の濃度を詳しく調べて効果を確認していきたい」と話しています。

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