2015年10月26日
個人事業と小さな会社の経理と税務はこの4冊だけで大丈夫
先週、僕は会社の経理のクラウド化という仕事をしていて、経理と節税について、何冊か本を集中的に読みました。こうした会計分野の本は、英会話やダイエットの本と同様に、毎年、毎年、同じ著者から似たような本が出て、書店に並びます。会計スキル(会社の経理がわかったり、決算書が読めたりすること)は、多くのビジネスマンが知っておくといいものに思えるし、また、ちょっとがんばれば習得できそうなお手軽感が、英会話やダイエット並みなので、よし、勉強してみよう、と思えるからでしょう。しかし、実際のところ、英会話と同じように、会計の知識がないと本当に困るというわけでもないので、ほとんどの人は途中で挫折します。つまり、会計の勉強に成功しません。英会話もダイエットも、本を買ってみ、みんな失敗するので、こうした本は売れ続けるわけです。だって、英会話の勉強もダイエットも、成功したら、もう本を買う必要はなくなりますからね。
僕はこれまで領収書を手で分けて(この辺の仕事はアシスタントがやっていますが…)、エクセルで管理して、最後に税理士に投げるという経理事務をしていたのですが、これではいけないと思い、最近、経理事務の効率化のために、また、いろいろと本を読んだり、システムを導入したりしました。そこで、個人事業主や小さな会社の経営者は、ぜひ、この4冊は読んでおいたほうがいい、というリストが出来上がりましたので、共有させていただきます。
1.フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。きたみりゅうじ


昔、紹介したことがある本です。システム・エンジニアを辞めてイラストレーターになった著者が、覆面税理士との対談形式で本にまとめたものです。基本的に、税金の話は、税理士が書く本は役に立ちません。なぜなら、税務は、ほとんどの零細企業が実際にやっているようなことと、教科書に書いてある税制はちがうからです。たとえば、社長と従業員がひとりかふたりの零細企業で、社会保険にちゃんと入っているところはほとんどありませんが、税理士が実名で書く本で、ぶっちゃけみんな入ってないよ、みたいなことを書くわけにはいきません。この本は、元プログラマのイラストレーターと覆面税理士が、実際の実務を書いていて、とても役に立ちます。何が経費になるかなど、フリーランスになった人が学ぶには、非常にいいです。古い本ですが、税制の変更には、増刷のたびにちょくちょく修正しており、それなりに新しくなっています。いまでも売れている本なので、買って損はありません。
2.フリーランス&個人事業主 確定申告でお金を残す! 元国税調査官のウラ技 第2版、大村大次郎


この大村大次郎という著者は、ほとんど同じ内容に、「裏ワザ」「合法的に脱税」「金を9割安くする」などの過激な煽りタイトルを付けて、毎年、毎年、複数の出版社から本を出し続けています。しかし、内容は、とても常識的な、個人や零細企業ができる節税方法です。Amazonでざっと調べてみたところ、同じ内容の本を、かれこれ100冊は出版しています。税制は、毎年少しずつ変わり、古い本より、新しい本のほうが売れるので、ほとんどコピペで本を量産し続けられるわけですね。
しかし、同じ内容の本を100冊も書くと、さすがに100冊目ぐらいには、文章もこなれて、構成も洗練され、個人事業主や小さな会社の経営者が知っておくといい情報が過不足無く紹介され、とても完成度が高くなっています。受験勉強でも何でも、繰り返し練習することが大切なんですね。
ということで、オススメの1冊です。
3.2時間で丸わかり 会計の基本を学ぶ、岩谷誠治


この本も、同じ内容の焼き直しですが、やはり二度目、三度目だと、読みやすくなっています。PL(損益計算書)やBS(貸借対照表)をざっくりと読むことができな人は、この本を勉強するといいでしょう。上場企業の財務諸表が読めると、いろいろと視野が広がるかもしれませんし、何か頭の良さそうなことも言えるかもしれません。
この本は、あとで説明する「クラウド会計」について、記述があるのがいいです。とにかく、簿記を知らない人が、会社の財務諸表を読めるようになるためには、とても良い本です。
4.スッキリわかる 日商簿記3級 テキスト&問題集、滝澤ななみ


日商簿記3級というのは、意識の高いビジネス系の大学生や経理担当の高卒の女の子なんかが取得する資格のスタンダードです。PLやBSは、複式簿記で、一つひとつの取引を積み上げていくことでできるわけですが、その記帳方法(といっても、最近ではシステムに入力するので、帳面には書きませんが)やそこからPLとBSを作る技術が簿記というものです。これを知っていると、大抵の会計ソフトが使いこなせるようになりますし、財務諸表もより深く理解できるようになります。
簿記3級に合格するために必要な勉強時間は、何も知識がないふつうの日本人で、50〜60時間だといわれています。偏差値が高く受験勉強が得意だった人や、すでにある程度の会計知識がある人なら、半分ぐらいの時間で合格するかもしれません。つまり、3日ぐらいの猛勉強ですね。僕も、簿記3級ぐらい取ろうかな、と思った次第です。
3級というぐらいなので2級も1級もあるわけですが、パッと見たところ、3級で、すでに零細企業の社長や楽しみでやる株式投資ぐらいには、オーバースペックですね。ということで、3級だけで十分でしょう。
この本は、一番売れているようで、まあ、上手くまとまっています。
以上の3冊、そして、簿記まで勉強したい人は4冊を読めば、個人事業主と小さな会社の経営に必要な会計知識は、おそらく日本トップクラスになることは間違いありません。個人の確定申告は1月1日から12月31日までが課税期間なので、いまから動かないと今年の分は間に合いませんよ。
★★★そして、時代はクラウド会計へ★★★
さて、経理や税務の一般論は、これらの本を読めばいいのですが、最近、急激に流行りはじめているクラウド会計というものがあります。
はっきり言って、経理をクラウド化することで、新世界の扉が開きます。と言っても、上の3冊(できれば簿記も含めて4冊)ぐらいの知識がないと、こうしたクラウド会計システムも使いこなせませんので、まずは勉強しましょう。
そして、具体的な、クラウドを使った経理の自動化に関しては、申し訳ありませんが、続きはメルマガで、ということでお願いします。
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僕はこれまで領収書を手で分けて(この辺の仕事はアシスタントがやっていますが…)、エクセルで管理して、最後に税理士に投げるという経理事務をしていたのですが、これではいけないと思い、最近、経理事務の効率化のために、また、いろいろと本を読んだり、システムを導入したりしました。そこで、個人事業主や小さな会社の経営者は、ぜひ、この4冊は読んでおいたほうがいい、というリストが出来上がりましたので、共有させていただきます。
1.フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。きたみりゅうじ
昔、紹介したことがある本です。システム・エンジニアを辞めてイラストレーターになった著者が、覆面税理士との対談形式で本にまとめたものです。基本的に、税金の話は、税理士が書く本は役に立ちません。なぜなら、税務は、ほとんどの零細企業が実際にやっているようなことと、教科書に書いてある税制はちがうからです。たとえば、社長と従業員がひとりかふたりの零細企業で、社会保険にちゃんと入っているところはほとんどありませんが、税理士が実名で書く本で、ぶっちゃけみんな入ってないよ、みたいなことを書くわけにはいきません。この本は、元プログラマのイラストレーターと覆面税理士が、実際の実務を書いていて、とても役に立ちます。何が経費になるかなど、フリーランスになった人が学ぶには、非常にいいです。古い本ですが、税制の変更には、増刷のたびにちょくちょく修正しており、それなりに新しくなっています。いまでも売れている本なので、買って損はありません。
2.フリーランス&個人事業主 確定申告でお金を残す! 元国税調査官のウラ技 第2版、大村大次郎
この大村大次郎という著者は、ほとんど同じ内容に、「裏ワザ」「合法的に脱税」「金を9割安くする」などの過激な煽りタイトルを付けて、毎年、毎年、複数の出版社から本を出し続けています。しかし、内容は、とても常識的な、個人や零細企業ができる節税方法です。Amazonでざっと調べてみたところ、同じ内容の本を、かれこれ100冊は出版しています。税制は、毎年少しずつ変わり、古い本より、新しい本のほうが売れるので、ほとんどコピペで本を量産し続けられるわけですね。
しかし、同じ内容の本を100冊も書くと、さすがに100冊目ぐらいには、文章もこなれて、構成も洗練され、個人事業主や小さな会社の経営者が知っておくといい情報が過不足無く紹介され、とても完成度が高くなっています。受験勉強でも何でも、繰り返し練習することが大切なんですね。
ということで、オススメの1冊です。
3.2時間で丸わかり 会計の基本を学ぶ、岩谷誠治
この本も、同じ内容の焼き直しですが、やはり二度目、三度目だと、読みやすくなっています。PL(損益計算書)やBS(貸借対照表)をざっくりと読むことができな人は、この本を勉強するといいでしょう。上場企業の財務諸表が読めると、いろいろと視野が広がるかもしれませんし、何か頭の良さそうなことも言えるかもしれません。
この本は、あとで説明する「クラウド会計」について、記述があるのがいいです。とにかく、簿記を知らない人が、会社の財務諸表を読めるようになるためには、とても良い本です。
4.スッキリわかる 日商簿記3級 テキスト&問題集、滝澤ななみ
日商簿記3級というのは、意識の高いビジネス系の大学生や経理担当の高卒の女の子なんかが取得する資格のスタンダードです。PLやBSは、複式簿記で、一つひとつの取引を積み上げていくことでできるわけですが、その記帳方法(といっても、最近ではシステムに入力するので、帳面には書きませんが)やそこからPLとBSを作る技術が簿記というものです。これを知っていると、大抵の会計ソフトが使いこなせるようになりますし、財務諸表もより深く理解できるようになります。
簿記3級に合格するために必要な勉強時間は、何も知識がないふつうの日本人で、50〜60時間だといわれています。偏差値が高く受験勉強が得意だった人や、すでにある程度の会計知識がある人なら、半分ぐらいの時間で合格するかもしれません。つまり、3日ぐらいの猛勉強ですね。僕も、簿記3級ぐらい取ろうかな、と思った次第です。
3級というぐらいなので2級も1級もあるわけですが、パッと見たところ、3級で、すでに零細企業の社長や楽しみでやる株式投資ぐらいには、オーバースペックですね。ということで、3級だけで十分でしょう。
この本は、一番売れているようで、まあ、上手くまとまっています。
以上の3冊、そして、簿記まで勉強したい人は4冊を読めば、個人事業主と小さな会社の経営に必要な会計知識は、おそらく日本トップクラスになることは間違いありません。個人の確定申告は1月1日から12月31日までが課税期間なので、いまから動かないと今年の分は間に合いませんよ。
★★★そして、時代はクラウド会計へ★★★
さて、経理や税務の一般論は、これらの本を読めばいいのですが、最近、急激に流行りはじめているクラウド会計というものがあります。
Kazuki Fujisawa@kazu_fujisawa
個人事業主とか小さな会社の経理って、専用クレジットカード作って、MFクラウド使ったら、むちゃくちゃ楽じゃないか。いままで、何を苦労していたんだろう…。
2015/10/21 15:29:29
はっきり言って、経理をクラウド化することで、新世界の扉が開きます。と言っても、上の3冊(できれば簿記も含めて4冊)ぐらいの知識がないと、こうしたクラウド会計システムも使いこなせませんので、まずは勉強しましょう。
そして、具体的な、クラウドを使った経理の自動化に関しては、申し訳ありませんが、続きはメルマガで、ということでお願いします。
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