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これは伝説のアフレコスタジオ「タバック」がその歴史に幕を下ろした日に、別れを惜しみ、記念に撮影したものです。タバックは1973年にできて以来、古くは「マジンガーZ」、「銀河鉄道999」から、「新世紀エヴァンゲリオン」、「ONE PIECE」、「セーラームーン」や「プリキュア」のシリーズなど、40年以上にわたり、東映作品を中心に日本の代表的なアニメの収録がされてきたスタジオ。声優やアニメファンにとっては特別な場所です。残念ながら老朽化で今年の9月で閉鎖となりましたが、最後の収録作品が、私が主役をさせていただいた「映画GO!プリンセスプリキュア」でした。
私がタバックで最初に収録した東映作品は2013年の「探剣ドリランド」というアニメ。歴史ある独特なスタジオのムードにまずひかれました。東映の作品は昔ながらの伝統的な方法で収録します。他の仕事の時は、事前に収録用のDVDが渡されるので、それを家で見て練習してきて当日合わせるという方法ですが、東映方式は映像を見られるのはなんと収録当日。映写機でスクリーンに映した映像をみんなで1回見る「通し見」というものをして、2回目にマイクの前に立ち「テスト」、3回目が「本番」という段取りです。事前に準備できないので最初は戸惑いましたが、やってみたらすごく楽しくて。その場でみんなが初めて映像を見て、「よ~いドン!」みたいに一斉に合わせるのがすごくいい緊張感を生むんです。
また一度録音を始めたら、誰かが間違えても、全員でつないで止めずに最後までとる。そしてどうしてもまずいところを後で取り直すんです。お芝居の流れは二度と同じものはこないので、途中で止めずに一つの流れを大事にしているのだと思います。しかも共演した先輩たちが素晴らしく、タバックでの収録はとてもいい経験でした。
その後オーディションを受けて、今年テレビシリーズの「Go!プリンセスプリキュア」の主役を演じることが決まりました。今までのプリキュアはタバック収録だったので「やった!」と思っていたのですが、この作品から別のスタジオになり残念な気持ちがありまして。ですから長年プリキュアを収録した場所で、最後に映画版をとることになり本当にうれしかった。
プリキュアでの私の役キュアフローラ/春のはるかはものすごく前向きな女の子。自分では恥ずかしくて言えないことをセリフで言うと、私自身、役に引っ張られて強くなれそうな気になるんです。以前は自分のエネルギーをキャラクターに注入しようと思っていましたが、プリキュアの経験で、キャラクターに引っ張られることでさらに自分がパワーアップできる楽しみを知りました。その経験を得て、今回は声優として一歩前に進んだ状態でタバックでの収録に臨めた気がします。いろんな作品を生んできたこのタバックの最後の作品の主役を演じられたことは、私の誇りとなりました。
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しまむら・ゆう 声優 「リーンの翼」のリュクス・サコミズ役で注目され、現在、テレビシリーズ「Go!プリンセスプリキュア」のキュアフローラ/春野はるか役を演じている。これまでに「進撃の巨人」アニ・レオンハート役、「黒子のバスケ」荒木雅子役、その他多くの作品に出演。
◆嶋村さんが声優として主役を演じる「映画Go!プリンセスプリキュア Go!Go!!豪華3本立て!!!」が10月31日の土曜日から全国ロードショー。今回はプリキュアの映画史上初の3本立て。セル画で作った「パンプキン王国のたからもの」、フルCGで作った「プリキュアとレフィーのワンダーナイト」、サイレント作品「キュアフローラといたずらかがみ」とチャレンジングな作品構成に。テレビアニメのレギュラー陣に加え、ゲストに人気声優・花澤香菜さんらを迎える。また「パンプキン王国のたからもの」のテーマ曲「KIRA KIRA」はEvery Little Thingの書き下ろしだ。
「今回の映画は、3編ともさまざまなことに挑戦した美しい映像作品で、これからのプリキュアの未来が感じられるものとなっています。私の役、キュアフローラに変身する春野はるかは、くじけそうになることもあるけど、一度立ち上がるとナイトのように強い女の子。今回は私が大好きな彼女のそういう要素が、たくさん入っています。物語は大人にも楽しんでいただける内容ですが、特にお子さんと映画館にいくと楽しいですよ。ミラクルプリンセスライトを振りながら、他のファンの子たちと一緒に主人公たちを応援するお子さんのまっすぐな気持ちと成長を見られることは、映画館ならではの味わいになると思います」
(聞き手:田中亜紀子)
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