では、転職を希望するエンジニアたちは、転職2.0に対応しているのでしょうか? 採用担当の視点から、現状を確認していきましょう。
菌類は、3年前に見たTwitterが今も忘れられません。
クラリスは、「ルパン三世 カリオストロの城」のヒロインです。政略結婚を迫る伯爵からクラリスを救い出し、去っていこうとするルパンに向かって、公国最後の姫という立場を捨てる覚悟で言ったクラリスのセリフは、この作品のハイライトの一つです。
「私も連れてって。泥棒はまだできないけど、きっと覚えます」
葛藤の末去っていくルパンと、見送るクラリス。銭形警部の彼にしてはキザなセリフ「奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です」が、鮮やかに映画を締めくくるのでした。
おっと脱線が長くなりました。“クラリスエンジニア”の話でしたね。
お姫さまが泥棒稼業に身を投じようという覚悟なら、「きっと覚えます」でも許されます。しかし、求人企業が求めているのは中途採用のエンジニア。解決すべき問題に、即戦力として立ち向かうことが期待されています。
それが「Pythonはまだできないけど、きっと覚えます」ですって? 何を考えてるの? 君を採用すると公国の跡取りになれるの?「Pythonは覚えた」なら採用するけどぉぉぉおおおッ!!
……すみません取り乱しました。ツイートを見た当時の衝撃がよみがえってしまいました。
あらためて説明すると、Pythonはオープンソースソフトウエアです。ちょっと検索すれば、日本語で書かれた入門記事には事欠きません。インターネットにつながったPCが1台あれば、今すぐにでも無料で「Pythonは覚えた」への第一歩を踏み出せます。
なのに、何でやらないの?
しかしクラリスエンジニアは、まだまだたくさんいるようです。
採用担当菌類の元に舞い込む応募書類でも、こんな事例は後を絶ちません。いったいどうしてしまったのでしょう。「なぜIT業界には、こんなにたくさんの公国最後の姫が存在するのか?」と嘆きつつ、そっと「不合格」のボタンを押す菌類でした。
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