中国株の利下げ後の回復は息切れへ-バークレイズとブラックロック
2015/10/26 08:57 JST
(ブルームバーグ):中国政府の成長促進策で同国株は反発したものの、景気対策が世界2位の規模を持つ同国経済の根本的な弱さを浮き彫りにしており、相場の回復は息切れするとバークレイズやブラックフライアーズ・アセット・マネジメント、ブラックロックは予想している。
中国人民銀行(中央銀行)が23日の中国市場の終了後に昨年11月以来6回目の利下げを発表したのが好感され、中国本土株に連動する米最大の上場投資信託(ETF)は23日のニューヨーク市場で2カ月ぶりの高値を記録。この日の上昇で、8月の安値からの上昇率は23%に達した。25年ぶりの低成長が見込まれる中国経済のてこ入れで、政府が一段と積極的な対策を講じるとの臆測が回復の主な要因となっている。
バークレイズのマクロ調査責任者、アジェイ・ラジャディアクシャ氏は23日にニューヨークから電話インタビューで、「中国株上昇の新たな動きの始まりだとは思わない」と述べ、中国には「経済成長の数字の急速な改善が必要だが、そうした状況は起きていないようだ」と指摘した。
米上場の中国株で構成されるブルームバーグの指数は2011年以降で最も大幅な変動となっており、相場急落で6月の高値からは33%値下がりした。
ブラックフライアーズ・アセット・マネジメント(ロンドン)の株式責任者、トニー・ハン氏は23日の電話インタビューで「短期的には市場はこれを好感するだろう」と述べた上で、「より長期的には、中国に強気な見方が広がる前に解決すべき課題が多くある」と指摘した。
中国では今週、共産党第18期中央委員会第5回総会(5中総会)が開かれ、経済や社会に関する5カ年計画の取りまとめに向けた方針が議論される予定。銀行以外の外資系金融機関に対する障壁の緩和、国産技術の重視などが発表される見通し。当局は2015年の国内総生産(GDP)伸び率目標を7%前後としている。
ブラックロックのマネジングディレクターで新興市場担当ポートフォリオマネジャー、アマ ー・ビサット氏は23日の電話インタビューで「市場は既に中国の安定と政策行動の可能性を織り込んでいる」と指摘。「政策行動は相場の支えになるが、基本的な構図が改善する必要がある」と述べた。
原題:Barclays to BlackRock See China Rebound Fading After PBOC Move(抜粋)
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更新日時: 2015/10/26 08:57 JST