亀山千広フジテレビ社長

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「来年はやらないでほしい!!」との声が局内部から上がっていたフジテレビの毎年夏恒例の「27時間テレビ」について、同社の亀山千広社長(59)が23日、定例社長会見で「検証し直すいい機会。やめるという決断は勇気のいることだと思う」と打ち切りを検討していることを認めた。日本テレビの「24時間テレビ」に対抗し、1987年から続いた看板番組はついに消滅危機を迎えた。一方で、同社長は低迷する篠原涼子(42)主演の新ドラマを分析してみせたが…。


 亀山社長は「27時間テレビ」について「まだ何も決まっていない」としながらも「検証というか、もう一度しっかり考えるところに来ているかな、とは思います」と語った。さらには「やめるという決断は勇気のいることだと思う。それに代わって何をやるか。営業的にもスポンサーになじまれているので、検証に入っている」と打ち切りの可能性についても明言した。


 27時間テレビをめぐっては21日発行の本紙で既報した通り、お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(52)が同局の「ワイドナショー」で「若手芸人に丸投げで雑に扱ってる。もっと愛を持って扱ってほしい。毎年やらなくてもいいのでは?」と発言。レギュラー番組と並行して同番組を担当させられ、激務を強いられるスタッフが「ホントにやめてほしい!」と松本発言に賛同の声を上げていた。


 今年7月25〜26日に放送された27時間テレビが、平均視聴率10・4%と低迷、同番組の歴史でワースト3の記録だったことなどを踏まえ、亀山社長らフジ上層部が打ち切りを含めた検討に入った形だが、制作現場からは歓迎の声があふれた。


「来年やって数字(視聴率)を取れる確証などまったくないですからね。レギュラー番組も軒並み低迷しているので『来年の27時間テレビのメーンはあの番組のスタッフに任せよう』というのもない。この機会にバッサリ打ち切るのは、大半のスタッフが賛成でしょう。『笑っていいとも!』よりは切りやすいでしょうから」(制作関係者)


 一方、亀山社長は、15日にスタートした新ドラマ「オトナ女子」に主演する篠原について「涼子ちゃんがあまりに美しすぎるので、イタくない。難しいのは役者さんの私生活が出ちゃうところ。篠原さんのイタみを出せるようにできれば。美しいものはもっと傷つけられるべき。感情移入するのに、もっと切なくしないと」と語った。


 同ドラマの視聴率は第1話が9・9%、第2話が9・2%と低迷しているだけに、制作畑出身の社長ならではのゲキだったが、演出法にまで社長が口を出さねばならない状況なのが今のフジだ。


 テレビ関係者はこの背景について「フジとしては、9月から公開された篠原主演の映画『アンフェア the end』が興収22億円超のヒットとなったことで、その余勢を駆って“ドラマも大丈夫”とタカをくくっていた。それが、篠原主演でもダメだった。原因は脚本や演出などのスタッフサイドにあることは明白だ。それで亀山社長もショックなのでしょうが、それが今のフジの現実ですよ」と語る。


 27時間テレビ打ち切り説とあわせ、やっとフジは尻に火がついていることに気づいたようだ。
 (視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)